黒田メラッ「米国なら当てられている」 被弾新井を“報復”K斬り

[ 2015年3月1日 05:36 ]

シート打撃で黒田(手前)と対戦する新井。ネット裏には前田健(中央)ら選手たちもズラリ

 大リーグから8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手(40)が28日、沖縄市のコザしんきんスタジアムでシート打撃に初登板し、打者延べ12人に対し、3本のバットをへし折った。計46球で安打性2本、1四球と貫禄の内容。バット折りを予告していた新井貴浩内野手(38)には左越え本塁打を許したが、次打席ではメジャー仕込みの決め球「バックドア」で見逃し三振に仕留めた。日本復帰登板となる3月29日のヤクルト戦(マツダ)に向け、順調に段階を踏んでいる。

 背番号「15」がマウンドに上がると、球場の雰囲気が一変した。黒田のシート打撃初登板を見ようと、前田健ら投手陣が一斉に姿を現す。その中で、「生きた教材」にたがわぬ投球を披露した。

 いきなり1巡目で梵と天谷から連続してバットをへし折った。そして、ともに8年ぶりに復帰した新井との注目の対戦。前日「バットを折る」と宣言していた右腕が、最初の打席は難なく中飛に打ち取った。そして2打席目。2球目の内寄りのツーシームを左翼席に運ばれた。

 黒田 そんなに甘くなかったが、(新井は)仕上がってるね

 新井 自信というか、子供に自慢できる

 黒田 打った後のジェスチャーが長すぎて、米国だったら(次打席で)当てられている

 冗談交じりながらも本気で悔しがった黒田。打たれたままでは終わらない。3打席目。2球で追い込み、外角のボールゾーンから鋭く入ってくるツーシームで見逃し三振を奪った。

 黒田 思った通りのところで思ったような見逃し。完璧。2打席も打たれたら何を言われるか分からない。少しピリッとさせた

 新井 ボールだと目を切ったらストライク。何が起こったか分からなかった。ああいう球は初めて見た

 ぼう然自失から立ち直ると、新井は「あの球はなんですか?」と質問。黒田は「バックドア」と迷うことなく答えた。

 この「魔球」こそが黒田がメジャーで生き抜くために習得したもので、大リーグ通算79勝を支えた。黒田自身も「この意表を突くボールを投げられれば右打者にはカウントが取りやすくなるし、左打者は踏み込めなくなる。しっかり沈んでくれれば三振か内野ゴロになるし、この出し入れがきちっと使えるようになると球数も少なくできる」と力説してきた。

 25日のフリー打撃登板では投げなかったスプリットも初めて打者に試投。「きょうは持っている全球種を投げて球の変化と打者の反応を見た。実戦が近づいてくる中でいい球も増えてきた」と手応えを口にした。

 黒田 きょうの一番の収穫は新井に“いい球が来てましたよ”と(上から目線で)言ってもらったこと

 もっとも新品3本を用意した新井のバットは粉砕できず、「それが一番…」と最後にもう一度悔しそうに笑った。

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