工藤監督「決めました」 摂津が球団初4年連続開幕投手に

[ 2015年2月27日 05:30 ]

松坂(左)の前でランニングする摂津

 決めた!ソフトバンク・工藤公康監督(51)は宮崎キャンプ最終日となった26日、2015年の開幕投手(3月27日、ロッテ戦、ヤフオクドーム)に摂津正投手(32)を“指名”したことを明かした。日本一連覇を狙う今季は新加入の松坂大輔投手(34)、大隣憲司投手(30)らと激戦に。しかし、総合力で一歩リードした“本命候補”摂津が球団史上初4年連続の大役を務めることになった。

 最終日はあいにくの雨だった。ブルペンで初キャンプを総括していた工藤監督は突然、開幕投手について踏み込んだ。

 「いま決まっているのは開幕投手だけですね。おととい(24日)伝えました。僕の部屋に呼んで座って話をした。候補がいて迷ったけど、実績もあるし、ブルペンも見た上で決めました」

 指揮官は名指しこそ、しなかったものの、複数の関係者の話を総合するとエース・摂津が指名されたもようだ。11年に先発転向して以来4年連続2桁勝利を飾り、12年からは3年連続で大役を任される不動の存在になった。ただ、昨季は右肩筋疲労の影響から転向後最低の10勝止まり。規定投球回数にさえ届かなかった。

 新加入の松坂、名乗りを上げていた大隣、武田も含めた競争となった開幕投手争い。だが指揮官は2月1日にある程度の手応えをつかんでいた。「昨年(評論家で)来て摂津が投げるのを見て、“アレッ”と思った。全然ボールが行かないし、たれていた。今年の初日は昨年と違った」。唯一の不安だった現状を把握。「先頭に立って勝つことでみんなを引っ張る」との開幕投手の条件をクリアできると判断し、自身も西武、ダイエーで6度、経験した大役を託した。

 任された摂津は「なんのことですか?」と質問を軽くいなしたが、2月を振り返り「やりたいことはできた」と晴れ晴れとした表情を浮かべた。「殻に閉じこもらず、聞いていけば新しいものが見えてくる」と新任の佐藤投手コーチに指導を請うた。休養日だった13日には「暇だった」とうそぶきながら、休日返上の練習も行った。すべては球団史上初の4年連続の偉業をつかむためだ。

 初実戦は28日の楽天戦(ヤフオクドーム)になる。そのまま、1週間置きに4度登板し、本番へと臨む計画。この春は松坂フィーバーの「恩恵」を受け、静かに調整してきたエースは「きょうは記者さんが、たくさん来ますね」と苦笑い。その視線には3・27の開幕戦がしっかりと映っている。

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2015年2月27日のニュース