西岡 男気三塁守った!和田監督説得に「チームのために身を削って」

[ 2015年2月26日 05:30 ]

和田監督(手前)が取材を受ける向こうで三塁の位置でノックを受ける西岡

 阪神は25日、沖縄県宜野座村で行っていた1軍キャンプを打ち上げた。西岡剛内野手(30)が全メニュー終了1時間前に、今キャンプで初めて三塁の守備位置へ。36球のノックを受け、投内連係を確認した。今春最大の注目だった二塁バトル。和田監督が下した「上本二塁、西岡三塁」の決断を、男気で受け入れた。

 鳥谷とキャッチボールを終えると、堂々と「新天地」へ歩を進めた。三塁。ポジション争いに負けたのではない。勝利のために、西岡は進んで和田監督の駒になることを決めたのだ。キャンプインから、いや、昨季が終了した直後から目指し続けた二塁での出場。ひとまずは上本にその場を譲り、新たな位置で奮闘することを決断した。

 「監督さんから、1月から何回も“剛、サードをやってくれ”と話をいただいていたんですが、3日前にもう一回…。まあ4回目ぐらいなんですけど、“やってくれ”と」

 明かした舞台裏。そして、二塁というポジションへの執着とは別にもう一つあった、首をタテに振らなかった理由を白日のもとにさらした。

 「阪神に入ってこの2年、チーム内競争が本当にないチームだなと、すごい感じていた。サードにいってくれと言われて、パッとそこに入って、これまで頑張っていた今成選手、良太さん、若手の陽川…競争がなくなるんじゃないかと思った。僕はチーム内の競争を生みたかった。監督が言うポジション(三塁)を最初からやることで、周りの選手のモチベーションを下げたくなかった」

 しのぎを削り合う環境を志向することは、同時に、自らをも厳しい立場に追い込んだ。「二塁がダメなら控えでいい」と悲壮感を漂わせ、上本とのし烈な競争に挑んだ。そして、最終的には和田監督の「1番から鳥谷、上本、西岡という並びの超攻撃的オーダーを組みたい」という意向を理解し、上本との同時出場が可能となる三塁への転向を受け入れた。

 「この1カ月、どの球団よりも競争のあった練習をしたと思う。最終的に決めるのは監督。監督の意見に背こうとは思わない。それはチームを去るときだし、去る気もない。あとは勝つため、優勝するために、チームのために身を削っていきたい」

 手締めまであと1時間と迫った、フリー打撃の最終組。二塁・上本、三塁・西岡、遊撃・鳥谷の3人が初めて同じグラウンドに立った。ノックを、大声を出し、確実に、時に曲芸的にさばいた。

 「必要とされるところでやる。三塁も今成らとの競争が続く。戦って、つかんでいく」。二塁への“恋心”はそっと胸にしまった。実戦で初めて「三塁・西岡」が見られるのは3月4日、ソフトバンクとのオープン戦(甲子園)が有力だ。

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