石井一久氏 黒田&松坂「5センチの移動」の適応能力に注目

[ 2015年2月25日 11:20 ]

投球練習を行う黒田

 メジャーから戻ってきた広島の黒田とソフトバンクの松坂をキャンプ地で取材した。長く日本球界を離れていたことで、2人には「アジャスト(適応)能力」が求められる。よく日米のボールの違いなどが指摘されるが、ともに気にしていたのはむしろマウンドだ。左足の踏み出し方をいろいろ模索していた。

 一般的にメジャーは硬いとされるが、もう少し詳しく説明すると、土質が違う。硬くコーティングされたその上に目が粗い砂、小石のようなものをまぶしている。だからスパイクのダメージも大きい。一方、日本はいろいろな素材を交ぜているので、土質がしっとりしている。ただ、軟らかいので、試合が進むにつれて穴が掘れてしまう。

 投球する際にどのような違いが出るのか。メジャーでは右投手の場合、左足を踏み出した時に下が硬いのでしっかりスパイクの歯がかむ。そこから、止まった瞬間に上半身を回してボールに力を伝える。ところが、日本の場合は着地したところから、音で表現すると「ズッ」と、左足がわずかに前に滑るので、力がぶれてしまう。距離にして5センチぐらいか。軟らかい地方球場のマウンドだと10センチぐらい前に出る。この「5センチの移動」に、黒田も松坂も適応しようとしている段階だ。

 僕は日米のマウンドの違いを説明する時に、よく綱引きを例に出す。感覚的には、アスファルトの上でやるのがメジャーで、砂浜でやるのが日本。砂浜で綱引きをやると、足が前に滑ってパワーをうまく使えない。でも少しは滑るがどこかでグッと地面をかむ瞬間がある。そのタイミングを探している。あるいは、滑らない投げ方に修正するという方法もある。

 黒田も24日付で掲載したインタビューの中で「日本の球場のマウンドはどうですか?」と僕に聞いてきた。以前に比べると、だいぶ硬くなり、メジャーの球場に近づいてきた。それでも、まだ違いはある。オープン戦の登板で実際にどう感じ、対応していくのか。2人のアジャスト能力に注目したい。(スポニチ本紙評論家・石井一久氏)

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