京大くん、K斬りデビュー!自己採点30点も“一次試験”突破

[ 2015年2月19日 05:30 ]

シート打撃に登板しダイナミックなフォームを見せる田中

 三振デビューだけど赤点です。ロッテのドラフト2位・田中英祐 投手(22=京大)が18日、沖縄・石垣島キャンプでプロ入り初の実戦形式となるシート打撃に登板。いきなり青松敬鎔内野手(28)をフォークで空振り三振に仕留め打者7人を1安打に抑える好投を見せた。力んで制球が乱れたため、本人の自己採点は「30点」だったが、最速146キロを計測。次回は22日の広島との練習試合(コザ)で対外試合デビューし、開幕1軍入りを目指す。

 注目の第1球。田中は青松から142キロ直球で空振りを奪った。500人の観衆がどよめく。追い込んで5球目。思い切り腕を振った。外角低めに鋭く落ちるフォーク。いきなり空振り三振だ。

 「いい感じにメッチャ落ちました」

 勢いに乗り、青松から6人続けて1軍の打者を打ち取った。最後の打者・田村には甘く入ったカーブを左翼線二塁打された。「完全デビュー」こそ逃したが、プロ入り初の実戦形式のマウンドは打者7人に1安打無四球1奪三振という好結果だった。

 最速は自己最速にあと3キロに迫る146キロ。だが、本人の自己評価は驚くほど低かった。「めちゃくちゃ。力が入り過ぎた。腕は振れていたけど、安定感がなかった。納得できない。点数は30点です」。京大工学部出身の田中にとって、学生時代のテストでは取ったことがない低い点数だろう。

 プロで通用する制球力を身に付けるためキャンプでフォーム修正に取り組んだ。大学時代は投球時に頭が突っ込むことで左肩の開きが早くなり、トップの位置で右手と頭の距離が離れる。いわゆる「大振り」になり、制球がばらついた。そのため下半身主導を意識。左足を伸ばしたまま少し上げ、そこから膝を曲げるようにしフォームが安定した。ただフリー打撃に一度も投げず、実戦形式で初めて打者と対戦。力みがちになり頭がブレる。その悪癖で投球練習から帽子を飛ばした。1安打に抑えたが、直球はシュート回転し「ブルペンでできていたことが出せず、悪いところが出た」と反省した。

 それでも光るものがあった。最大の武器である鋭い腕の振りだ。内角への142キロ直球で投ゴロに打ち取られた清田は「腕を振ってくるので威圧感がある」と潜在能力の高さを認め、視察したオリックスの曽我部直樹スコアラーも「投げっぷりがいいし、躍動感もある。あとは制球力さえつけば」と高く評価した。

 落合投手コーチも及第点を与えた。「四球で自滅することもなかった。1軍なので抑えるという結果は大事」。次回は22日の広島との練習試合で対外試合デビューする。2番手で2回を投げる予定だ。シート打撃登板を終えた田中はブルペンで101球を投げ込んだ。「ブルペンではやりたいことができている。しっかり形をつくって、次は落ち着いて投げたい」。京大史上初のプロ野球選手になった秀才右腕は目標の開幕1軍に向け、見事に「1次試験」を突破した。

 ▼伊東監督 キャンプ序盤のようにバランスは良くなかった。それでもストライクを取れたしテンポも良かった。

 ▼ドラフト4位・寺嶋捕手(創価大)直球がシュート回転していた。構えたところとは逆に来る球も多かったけど、メチャクチャいい直球もあった。

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