安楽にエースのキレ 三木谷オーナー“マー君ほうふつさせる期待感”

[ 2015年2月8日 05:30 ]

半袖のアンダーシャツを着て投球する安楽

 封印は自ら解いた。50球目を投げた直後だ。楽天のドラフト1位・安楽(済美)は捕手・嶋に「座っていただけますか?真ん中で10球お願いします」と声をかけた。それまで中腰だった嶋が腰を落とす。そのミットをめがけ1球、2球…。伸びのある直球が突き刺さった。

 「座って投球できたのが一番の収穫。(高村投手コーチに)“最後10球だけ大丈夫ですか”と聞いたら、“10球だけ”と言われたので」

 キャンプ4度目のブルペン入り。高村投手コーチからは「中腰まで」と通達されていた。だが、投げたい衝動を抑えきれなかった。

 捕手を座らせて投げるのは新人合同自主トレ、キャンプを通じて初めてで「当分の間、低めに投げていなかったので、その感覚を養った」と投手の本能を呼び覚ました。

 予定していた10球より2球多い12球。中腰での投球を合わせると計62球を投じ、初めて安楽の球を受けた嶋は「思っていたよりボールにスピンがかかっていた。ズドンというイメージがあったけど、意外と切れがあった」と評価した。

 ネット越しには、キャンプ視察で訪れた三木谷浩史オーナーの姿があった。真剣な表情で安楽の投球を見守ると、「体が大きくてダイナミックで、田中将大投手(現ヤンキース)をほうふつさせる期待感があった」と称賛。宿舎で安楽と会話したことを明かし「大切なエース候補だから無理をしないで」とエールを送った。

 次回、9日のブルペンは最初から捕手を座らせて投げる予定。打者相手の投球練習は未定だが「僕としてはいつでもいける準備をしたい」。御前投球も経験した18歳右腕にたくましさが備わってきた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年2月8日のニュース