どうする松井氏?キヨシ ファンに約束「100%ゴジが打ちます!」

[ 2015年2月7日 05:34 ]

中畑監督は打撃投手を務める松井を相手にフリー打撃を行う

 キヨシVSゴジラの「ガチ対決」が実現した。DeNAキャンプを訪問中の松井秀喜氏(40)に、中畑清監督(61)が6日、「賭け」を持ちかけた。松井氏を打撃投手に、打者・中畑監督がワンバウンドでフェンスに達する打球を放てば、視察最終日となる7日に松井氏がフリー打撃を行うという勝負。しかし、計11スイングで結果を残せず、軍配は松井氏に上がった。それでも諦めない同監督は沖縄・宜野湾市立野球場を訪れたファンに、松井氏の7日の打撃実演を勝手にアナウンス。その結末やいかに――。

 「ラストぉー!!」。気合を入れ直して挑んだ11スイング目。スタンドからは「キヨシ、頑張れ!」の声が飛ぶ。松井氏が最後に投じた14球目。中畑監督のこん身の力が宿った打球は左翼へ上がり、一瞬、奇跡を予感させた。だが、無情にも打球はフェンス10メートル手前でバウンドし、ゴロゴロ転がってようやくフェンスに到達。「これがいっぱい、いっぱいでした」と脱帽した。

 この日1軍は休日で、松井氏は2軍を視察。練習が終了に近づくと、なにやら2人がひそひそ話。7日の松井氏の打撃実演に向けての「密談」だった。

 数分後、中畑監督は「私がワンバウンドでフェンスに当てたら、あしたゴジ(松井氏)がフリー(打撃)を披露します」と宣言した。最初は「柵越え」を条件にしていた松井氏が折れての交渉成立――。松井氏自らが投手となり、巨人入団時の打撃コーチだった中畑監督に投げる「師弟対決」が実現。直前にティー打撃で体を温めた中畑監督だったが、結果はかつての弟子の完勝だった。

 中畑 自信はあったんだけどね。まあボールはいいよ、ナイスボール

 松井 絶対無理だと思っていましたけど、予想通りでしたね。年齢を隠しきれない。昔教わっていたころの切れはない。でも、まぁ十分ですよ

 中畑 2本いい感じのがあったけど、まあこんなもんかな。還暦おじさんにしてみれば

 松井氏の打撃実演を熱望しながら、拒否され続けた中畑監督が持ちかけた最後の手段。それも失敗に終わったかに思いきや…。

 ここからが指揮官の真骨頂だった。往生際が悪いと言われようが、簡単には諦めない。今季優勝を目指すチームの若手に、どうしても「お手本」として松井氏の打撃を見せてやりたい。だから、居直った。

 中畑 (俺が)これをやったということが答えなのよ。これで実現するというのは、もう約束ですよ

 松井 何!?ちょっと待ってください。やらないですよ

 苦笑いを浮かべ続ける松井氏にお構いなしに、中畑監督はスタンドに残っていた約100人のファンまで巻き込んだ。

 中畑 100%、あすランチタイムにゴジが打ちます!ファンの皆さんぜひ来てください。待ってます

 松井 打たなかったらごめんなさいね

 予想外の展開に、思わずファンに事前謝罪した松井氏。それでも中畑監督は「もう宣言しちゃったもんね。けってーい(決定)!大丈夫、本人もちゃんとバット用意しているから」と絶叫。「違う。あれ、僕が用意したんじゃないですよ」との松井氏の声もかき消された。

 最後には「ハイ、約束の握手をしましょう」と右手を差し出した中畑監督に、松井氏が無言で背を向け立ち去ろうとして、球場は爆笑の渦に。果たして松井氏の打撃実演は実現するのか。それはきょうのお楽しみだが、中畑監督の強引なペースに松井氏が引き込まれつつあるのは事実だ。

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