【東尾氏が直撃】工藤監督 柳田クリーンアップ構想 1番より5番がいい

[ 2015年2月6日 11:31 ]

東尾氏(右)と笑顔で話す工藤監督

 注目の野球人の本音に迫る「球春ザ・インタビュー」。第1回は野球評論家の東尾修氏(64)がソフトバンクの工藤公康新監督(51)を直撃した。

 東尾 打線のことも公康なりの考えも出る?柳田1番がいいのかどうかとかね。

 工藤 去年は中村が1番で始まったんですけど、ケガもあって柳田が入った。基本的には5番とか。内川が3番にいるので、5番は柳田でいいのかなと思うし。

 東尾 野手では期待する若手もいると思うけど、今、ここで名前を言える?

 工藤 牧原、塚田、高田、山下(登録名・斐紹)です。(捕手の)山下は能力が高いですね。バッティングはいいと聞いているし、守備だったり、最初から全てを望まないけど、(捕手は)新人の栗原もいる。18U日本代表キャプテンを務めたくらいの選手。1年目だから(A組に)上げてないけど、適材適所でやっていきたい。

 東尾 今のチームに若い選手が入ると、いい経験になるね。

 工藤 いい選手たちが、高いモチベーションでやるためにチャンスを与えないといけないと思います。(全体の選手)枠が増えても上で使ってあげたり、的確に教え、また、2軍に行く。課題が分かればモチベーションは下がりませんからね。

 東尾 上で打たれて何が足りないか。打者も1軍の投手を体験させないと分からない。

 工藤 僕も実力がないながらも、1軍に置いてもらって、がく然とする部分も大きかった。球が速いなとか。東尾さんに関しては何で球遅いのに勝てるのかって思うじゃないですか(笑い)。

 東尾 公康は躍動感があったよ。跳ね上がるようなフィニッシュ。体全体のバネがあったね。

 工藤 1軍で投げる投手は、より繊細ですね。2軍にいる人は球は速くともアバウト。考え方の違い。球速ければいいとかじゃなくて、どう曲げる、どこへ投げる。どういうタイミングで投げるとかそういうことですね。

 東尾 俺は反対ばかり見ていた。力で抑え込む投手じゃないし、打者が何を考え、どう打ってくるか。どうやったら打者は嫌がるとか、そればかり考えたよ。

 工藤 そういうのは僕に早く教えてほしかったですよ。

 東尾 ところで何で今回はヘッドコーチを置かなかったの?

 工藤 何で東尾さんに電話しなかったかってことですか?

 東尾 違うよ!

 工藤 投手出身なので1年間は苦労するかもしれないけど、こっち(野手)はお任せしますというのも違う。サインも含めてチームプレーから。投手が嫌がる作戦は自分で考えられる。1年間、思ったことをやろうと思いました。

 東尾 俺には年上のヘッドコーチがいたよ。野手のフォローはお願いした。野手側のプライドは理解できないこともあるんだ。

 工藤 ヘッドにしたい人は昔はいたんですけど、今は他球団にいるので…。まず一人でやってみようというのはありましたね。すみません、電話しなくて(笑い)。

 東尾 バカヤロウ。

 ◆工藤 公康(くどう・きみやす)1963年(昭38)5月5日、愛知県生まれの51歳。名古屋電気(現愛工大名電)から81年ドラフト6位で西武入団。86、87年に日本シリーズMVP。95年にダイエー(現ソフトバンク)へFA移籍して99年の日本一に貢献。00年に2度目のFAで巨人移籍。07年から横浜(現DeNA)、10年は古巣・西武に復帰も同年に戦力外となり、11年に現役引退。最優秀防御率4度、最高勝率3度獲得。通算成績は635試合224勝142敗3セーブ、防御率3.45。

 ◆東尾 修(ひがしお・おさむ)1950年(昭25)5月18日、和歌山県生まれの64歳。箕島では68年春のセンバツに出場。同年ドラフト1位で西鉄に入団。75年に23勝を挙げ最多勝。83年には最多勝、最優秀防御率の2冠に輝いた。シーズンMVP2度、オールスター出場10度。88年に現役引退し、通算成績は697試合で251勝247敗23セーブ、防御率3.50。95~01年には西武監督を務め、パ・リーグ優勝2度。13年WBC日本代表では投手総合コーチを務めた。10年に野球殿堂入り。

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