松井氏「奥様への恩返し」 亡き中畑夫人手料理に感謝のDeNA視察

[ 2015年2月6日 05:55 ]

特打を終えた筒香(右)と身振り手振りを交えて話す松井氏(左)。中央は中畑監督

 青ゴジラが沖縄上陸だ。古巣・巨人の宮崎キャンプ視察を終えた松井秀喜氏(40)が5日、DeNAのキャンプ地・宜野湾を訪問した。巨人時代に打撃コーチとして指導を受けた中畑清監督(61)の熱烈ラブコールに応える形で、巨人以外の球団では初となるキャンプ視察。シート打撃やフリー打撃を見守り、同じ左の長距離砲、筒香嘉智内野手(23)の居残り特打も見届けて助言を送った。恩師への恩返しへ、青ゴジラが一肌も、二肌も脱いだ。

 ひときわ大きな歓声が、青ゴジラに注がれた。松井氏はスーツの上にDeNAのジャンパーを羽織り、宜野湾市立球場に現れた。集まったファン2000人、報道陣164人はともに前日の4倍。ベイスターズブルーに袖を通し「そりゃあ、違和感ありますよね」と本音を漏らしたが、到着時に球場の外まで出向き、愛弟子に抱きついた中畑監督は笑い飛ばした。

 「似合うね~。着た瞬間に、もともとウチの選手だったかな?と思うくらい普通に似合ってました」。三顧の礼ならぬ、「キヨシの礼」は松井氏が数え切れない着信履歴と打ち明けるほど。「何回もお断りしたんですが、そのたびに“頼むよ”の一点張りで…。最後に恩返ししろよ、と言われ。そんなにお世話になってないんですが。奥さまには若い頃にお世話になったので、奥さまへの恩返しを中畑さんにね」。巨人の新人時代に何度も中畑監督の自宅で特訓を受け、今は亡き仁美夫人の手料理を平らげてから東京ドームへ向かった。この日、宮崎空港から空路で自身16年ぶりの沖縄上陸を果たし、球場へ直行。最高気温は15度で風が強く肌寒かったが、居残り練習が終わる午後5時までグラウンドに立ち続けた。

 「天候の悪い中でも最後まで付き合ってくれた。選手もそういうところを見ている」と中畑監督も大感激。松井氏の言葉を伝え聞き「ゴジラにエサを食わせる女房でした。女房にも感謝しています」とこうべを垂れた。

 フリー打撃中には21歳の乙坂に手ぶりを交えて助言を送り、同じ左打ちの長距離砲・筒香の居残り特打を最後まで見届けた。その後、筒香の質問を受ける形で約3分間の野球談議を交わした。「同じ年齢の頃を考えると彼の方がもっと柔らかい。逆方向にもうまく打てる」と23歳の4番打者を絶賛。練習では左翼方向へ打ち始め、逆方向への意識を強めた打撃に「間違ってない。そのままでいいと思う」と直接言葉を伝え、背中を押した。

 中畑監督は「彼がこういうフットワークを見せてくれることで、みんなが喜ぶし、球界への恩返しにもなる」と今回のゴジラ招致成功を、球界全体へ広げてほしいとも訴えた。最後には松井氏が断った、7日のフリー打撃実演を諦めないことを強調した。「最終的には打たせるよ。120%期待している。(現役時代に)選手会をつくった時から俺は交渉力はあるんだ」。もっとも松井氏は「振れないですよ。DL(故障者リスト)入りしちゃうよ」と拒否。それでも、中畑監督なら再び奇跡を起こすかもしれない。

 ▼DeNA・筒香 「反対方向から打つのはいいこと」と言われてやり続けたいと思った。凄く体が大きいし、器が大きい話し方をされていた。

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