【東尾氏が直撃】工藤新監督 開幕投手は松坂、摂津、大隣、武田から絞る

[ 2015年2月6日 11:30 ]

「継続力」と書いた色紙を東尾氏(右)と持ち笑顔の工藤監督
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 注目の野球人の本音に迫る「球春ザ・インタビュー」。第1回は野球評論家の東尾修氏(64)がソフトバンクの工藤公康新監督(51)を直撃した。西武での現役時代に先輩だった東尾氏は当時のエピソードで揺さぶり、教え子の松坂大輔投手(34)も候補に挙がる開幕投手、「3割30本塁打30盗塁」のトリプルスリーを狙う柳田悠岐外野手(26)のクリーンアップ構想など「巧みな配球」で新指揮官の本音を聞き出した。

 東尾 キャンプ初日は昼飯抜きだって。1、2軍くまなく回ったの?

 工藤 昼飯抜きと言うより、いろいろとやってたら過ぎてしまったということですね。

 東尾 ソフトバンクは育成を合わせると89人もいるね。ライオンズの黄金期もレギュラーがいた中でファームの選手もよく獲っていた。

 工藤 今のレギュラーを考えた時、何かあった時パッと入れるよう、なるべくユーティリティープレーヤーをつくりたい。内野をやっている子には外野をやって、外野は内野をやってもらう。コーチを交え、話をさせてもらっています。

 東尾 若手にとって監督が見てくれているだけでもいいよね。

 工藤 僕らも西武のあの頃の先輩がいて若いやつはやんなきゃいけないと言われ、やっても抜けない現実があった。もし、あの時もっと自分たちのモチベーションが上がって、方法論が分かっていればとは思います。投げて走るしか、ありませんでしたから。

 東尾 あの頃は犬扱いだったからな。

 工藤 犬扱いしてたのは東尾さんじゃないですか、あのドッグレース。「ノックしてボールがフェンスに着くまでに捕れよ」「おまえらはタイヤ付けて走れ」「俺は普通に走る」とか、勝てるわけねえだろという話ですよ(笑い)。

 東尾 今は1月に自主トレを真面目にやっているしアピールする場だから必死だよね。

 工藤 昔は投げ込みしろとか言われていたけど、今は止めるくらいでちょうどいい。もう紅白戦やってもいいくらいブルペンで投げているんです。こんな球、初日から投げるなんて…。

 東尾 そんな中で摂津は第1クールの3日間で3連投していたけど、どう見ている?

 工藤 去年(評論家で)来て、摂津が投げていた時、“あれ”と思った。全然、ボールが行かなくて。でも、今年の初日は違ったんです。体が動いている。少し、変えたところがあると思いました。

 東尾 投手出身の監督は投手が気になるよ。

 工藤 投げなければ認めないというのはないです。実戦でいいコンディションで投げてくれればいい。西武の時、結果的に毎年メンバー同じだったじゃないですか。オープン戦まで調子良くて今年使えるかなと思ったら、開幕前にカーンと打たれて(2軍に)落ちる。そういうイメージがあります。

 東尾 ところで、開幕投手はどうするの?

 工藤 東尾さん、逆の立場だったら、どうするんですか?

 東尾 口に出せないところはあるよね。

 工藤 開幕投手はその年、一番、ローテーションをしっかり守って勝ってくれる柱です。意欲を燃やしてくれている選手が3人(摂津、大隣、武田)いるので、そこと、大輔(松坂)をどうするかもあるんです。意欲を持ってやりたいというのは、いいことだなと思います。

 東尾 候補はその人間に絞られている?

 工藤 遅く決めるわけにもいかないですね。ローテーション組んでオープン戦をやって(段階的に)絞るんじゃないですかね。4人が3人、2人になって。どっちかだろうなという。

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