藤浪「能見さんから奪って」開幕投手狙う エースに“公開”挑戦状

[ 2015年2月1日 07:26 ]

2015年のユニホームに袖を通す(前列左から)藤浪、鳥谷(後列左から)能見、和田監督

 エース・能見に宣戦布告!1日、沖縄、宮崎の両県でプロ12球団がキャンプインする。阪神・藤浪晋太郎投手(20)は31日、沖縄・宜野座で始まる春季キャンプへ向け、決意を新たにした。「2・1」を迎えるに「能見さんからそういう(エース、開幕投手の)ポジションを奪って行くくらいの気持ちでやりたい」と断言した。セ・パ両リーグが同時開幕する3月27日に向け、新たなシーズンが始まる。

 球団創設80周年記念企画の一環としてデザインされた新ユニホーム発表の壇上だった。モデルとしてグレーの新ビジターユニホームに身を包んだ藤浪は、3年目に向かう決意も新たにした。かたわらに立つエース・能見へ、“公開挑戦状”を叩きつけたのだ。

 「(キャンプでは)しっかり調整期間があるので、開幕に向けて調整していきたい。能見さんから、そういう(エース、開幕投手の)ポジションを奪って行くくらいの気持ちでやりたい」

 昨年12月5日の契約更改後の会見で、「開幕投手」を3年目シーズンの目標に設定していた背番号19。この日、あらためて掲げた“能見超え”には、それ以上の意味合いが込められている。相手は伝統ある阪神のエース。超人気球団を、支えてきた大黒柱だ。その背中を上回るには、高いハードルがそびえ立っている。とはいえ低い目標を掲げても、意味はない。3年目の藤浪は、その座を力ずくで奪い取りに行く。

 「甲子園では、よく打ってもらっている印象が強いですね。運もあると思いますが、(今年は)敵地で勝てるようにしたいです。ホームでしっかり(白星)取って、ビジターも取ることができれば優勝に近づけるので」

 地の利に関係無く、勝ってこそエースだ。昨季は11勝8敗。甲子園、京セラドーム、倉敷マスカットで登板したホーム12試合で8勝2敗と圧倒的な勝率を誇った。特に熱狂的な虎党の大歓声に背中を押してもらえる甲子園では1完投を含む6勝1敗と一度しか土を付けられていない。一方、ビジターでは13試合に登板し3勝6敗。防御率はホーム3・81に対し、ビジター3・23と、敵地の方が好成績であるにも関わらずだ。それでも勝てなかったのは、本人も言う通り「運」があるのだろう。ということは、その巡り合わせ次第ではビジター勝ち星を急増させることも可能なはず。今年は、敵地で勝ってみせる。

 「(キャンプでは)課題も出てくると思うが、それを潰しながらやって行きたい。チームの中心になって行けるように、やって行きたい」

 昨季まで2年連続2桁勝利。だが、満足はしていない。慢心もない。1日からは、いよいよ3年目の戦いが幕を開ける。まずは、チーム内競争。目標を言葉にすることで自らに重圧を掛け、エースの座を狙う。

 ≪開幕投手なら江夏以来46年ぶり≫藤浪は今季プロ3年目、4月12日に21歳の誕生日を迎える。開幕投手を務めれば、阪神入団3年目以内では97年の川尻(3年目、28歳シーズン)以来。高卒入団に限ると69年の江夏(3年目、21歳シーズン)以来46年ぶりとなる。なお近年の他球団の高卒投手では、00年松坂(西・2年目)、07年ダルビッシュ(日・3年目)、13年宮国(巨・3年目)らがいる。

続きを表示

2015年2月1日のニュース