【キャンプ思い出】工藤監督 吐きたくても胃に何もなくて…

[ 2015年2月1日 07:53 ]

所沢2軍キャンプでの西武・工藤(1982年2月8日)

 新たに5監督が新任監督として指揮を執る今キャンプ。ソフトバンク・工藤公康(51)、西武・田辺徳雄(48)、楽天・大久保博元(48)、広島・緒方孝市(46)、ヤクルト・真中満(44)の各監督がキャンプインを前に、自身の現役時代のキャンプの笑って泣ける思い出話を披露した。

 1年目のキャンプでは、秋山幸二さん(ソフトバンク前監督)たちに正座させられたな(笑い)。朝の体操があって、振りを間違えたり、あいさつの声が出てなかったり、よく、みんなで呼び出されていた。秋山さんはどちらかと言えば「もう、いいじゃん」とかばってくれるんだけど、あいさつや練習の声が出ないこととかだけは、口酸っぱく言われたね。

 練習では走ったり、投げたりを一通りやった後、ポール間を何本も走る。吐きたくても胃には何もなく、出てこなかった。練習が終わるころには、もう夕飯の時間。素早くかき込むと、当時の広岡達朗監督の指導が、午後10時くらいまで続いた。雨が降ったりして、練習時間が短くなると、少しゆっくりできる。貴重なものだった。

 でも、そんなくつろぎは続かないよね。突然、館内放送で「1年生集合!」と呼び出され、使い古しのボール200個が山積みされていて、砂消しゴムで特に汚れた部分をそぎ落としていく。ブルペンにボールやロジンを置いたり、あの時は苦しかったけど、今ではいい思い出として記憶にあるよ。

 つらいことも一日一日、少しずつやっていけば強くなる。変われる。やれる。何とかなるのは4年目くらいまでに感じた。そういう経験を今の若い子にもしてほしい。そうすれば、野球も長く続けられると思うね。

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2015年2月1日のニュース