大谷、新スライダー!捕手驚愕「めちゃくちゃ横に曲がった」

[ 2015年1月31日 10:40 ]

ブルペンで握りを変えたスライダーを試す大谷

 衝撃的スライダーだ。日本ハム・大谷翔平投手(20)が30日、沖縄・名護での先乗り合同自主トレ最終日にブルペン入り。握りを変えた真横に大きく滑る「新スライダー」で、大野奨太捕手(28)を驚がくさせた。これまで不得意としていた球種で見せつけた3年目の進化。開幕投手宣言も飛び出すなど、2月1日のキャンプインへ準備は整った。

 ワインドアップから大谷が投げ込んだその球は真ん中から外角へグイッと大きく角度を変えた。捕手・大野のミットも真横へ流れ、捕るのが精いっぱいだった。

 「めっちゃ曲がってませんか?ちょっと握りを変えました」

 新スライダーの手応えに20歳の右腕はいたずらっぽく笑った。30球目からは5球連続で投じた。「自分の中で握りやすいもの。常に握りは変えているし固定しているわけではない」としたが、モデルチェンジは明らかだった。

 もともと、スライダーは持ち球の一つだが、変化にばらつきがあり、制球にも不安があった。今までは人さし指と中指の間をそろえて、ボールを切るように投げていたが、この日は両指の間を空けて、ツーシームのように縫い目に沿って指を掛けた。ブルペンで大谷の横で投げていた上沢は「投げ方は変えずに(指の間を空ける)握りだけを変えているらしい」と証言。大野は「まだ操れていないけど、めちゃくちゃ横に曲がっていた。衝撃を受けた」と驚きを隠せなかった。

 沖縄・名護入りしてから3度目のブルペン。このオフ最多となる50球は次第に熱を帯びた。昨季チームトップの11勝を挙げた最速162キロ右腕に対し、他球団のマークが厳しくなるのは不可避。直球、カーブ、スライダーのほかに、昨秋から本格的に取り組むチェンジアップも試投した。ワインドアップ、セットポジションもともに感覚を確認し「これでいいというものはない。オフからずっとやっている」。進化を止めるつもりはこれっぽっちもない。

 23日から行ってきた名護での先乗り合同自主トレはこの日で打ち上げ。大谷には3月27日の楽天との開幕戦(札幌ドーム)から逆算してローテーションが組まれ、2月9日の紅白戦(名護)が今季初実戦となる予定だ。大本命の開幕投手についても「シーズンが終わった時点から考えていること。昨年(のキャンプは)はその位置ではなかったけど、(今は)自覚というか、やりたいなと思う」とあらためて意気込みを語った。

 雨天のため、室内練習場で行ったティー打撃では「奨太さん(大野)がやっていて面白そうだから」とワンバウンドでトスされた球をネットに向かって次々に打ち込んだ。投球も打撃も、飽くなき好奇心こそが大谷の成長を支えている。

 間もなく球春到来。「ケガをしないこと。そこさえできれば後退することはないし、前に進める」。20歳の怪物に「後退」という二文字はない。

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