G新助っ投ポレダ先発奪取へ…健さん映画で日本野球「勉強」

[ 2015年1月29日 05:30 ]

ボールを投げるポーズを取る巨人の新助っ人左腕・ポレダ

 巨人に新加入したアーロン・ポレダ投手(28=レンジャーズ)が28日、羽田空港着の航空機で来日した。昨年11月に亡くなった俳優・高倉健さん(享年83)が出演した映画「ミスターベースボール」を見て日米の文化の違いを予習した1メートル98の長身左腕。早速、自慢のひげもそり落とすなど健さんのように謙虚な人柄も魅力で、日本の野球に少しでも早く適応して先発ローテーションの一角を担う。

 到着は午前4時35分。約11時間の長旅の疲れも見せず、ポレダの態度は巨人の初代オーナー・正力松太郎氏の遺訓そのままに「つねに紳士」だった。トレードマークだった口ひげは球団のルールに従い、きれいにそり落とされていた。「気持ちが引き締まり、楽しみにしています」。両手で顎をさすって笑みを振りまくと、丁寧に報道陣の取材に応じた。

 メジャー通算成績は全て救援で40試合に登板し3勝1敗、防御率4・67。日本で先発としてブレークを目指す左腕の「教科書」は92、93年に日米で公開された高倉健さんの主演映画「ミスターベースボール」だ。レンジャーズで同僚だった元広島の右腕ルイスに「見ておけば大体、日本の野球がどういうことかが分かる」と薦められた。

 来日した大リーガーが文化の違いに苦しみながらも徐々にそれを認め合い、成功に至るストーリー。20年以上前の公開時とは現場の環境は異なるが「日本の野球のやり方や選手と監督の関係、態度などが映画で出ていたので、見て凄く勉強になりました」と時代背景を叩き込んだ。健さんが演じた厳格な監督にも「チームのためにとても一生懸命やっているというイメージを持ちました」と好印象を口にした。

 謙虚な語り口とは裏腹に、投球スタイルは大胆不敵。1メートル98の長身から150キロ超の直球を軸に攻撃的な投球を見せる。昨季はレ軍で21回1/3を投げて21個と、三振を量産した。「インサイドもえぐりますし、絶対に逃げず、どんどん打者を攻めて大胆な投球をする」。昨季の防御率は5・91ながら、粗削りで「不器用」な部分も個性として前面に出すつもりだ。菅野、内海、杉内らに続く先発枠入りを果たし、リーグ4連覇、3年ぶり日本一への貢献を期す。

  今後、来日予定の夫人は過去に日本を訪れた経験があり「日本がいいところだと、いろいろ聞いている」と笑み。取材が終わると、両手を前方に重ね、お辞儀を繰り返した。 

 ◆アーロン・ポレダ 1986年10月1日、米国カリフォルニア州生まれの28歳。サンフランシスコ大から07年ドラフト1巡目(全体25番目)指名でホワイトソックス入りし、09年にメジャーデビュー。パドレスなどを経てレンジャーズへ移籍し、昨季はメジャー自己最多の26試合に登板して2勝1敗、防御率5・91だった。身長1メートル98、109キロ。左投げ左打ち。

 ▽ミスターベースボール 92年に米国で製作された野球映画。成績不振を理由に落ちぶれた元強打者・ジャックが、メジャーリーグへの未練を残したまま日本のプロ野球に移籍。周囲と衝突しながら、次第に心を通わせて往年の輝きを取り戻すまでを描いた。移籍した球団は中日ドラゴンズという設定で、高倉健が内山監督役で出演。ジャックとの交流を機に、自身が貫く「根性論」を見直す様を演じた。

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