阪神・北條“声出し番長”はオレ!初1軍スタートで良太のお株奪う

[ 2015年1月27日 09:09 ]

北條(右)は藤浪(中央)とともに南球団社長から成人式記念品を受け取る

 阪神・北條史也内野手(20)が26日、27日から始まる沖縄合同自主トレに備えて現地入り。1日からの宜野座キャンプでは“声出し番長”就任を宣言して、元気さをアピールしていく。また、この日の午前中は藤浪晋太郎投手(20)とともに西宮市内の球団事務所にて「成人式記念品授与」に出席。南信男球団社長(60)から「自信を持ってやれ!」とゲキを飛ばされたことを明かした。

 そんなつもりはなくても、少し弱気な一面を見せていたかもしれない。3年目で初の1軍沖縄キャンプ切符を手にした時のコメントが、「クビが危ないと思っています」というもの…。20歳を迎えたお祝いとして高級ペンを受け取った北條は、南球団社長から「(クビの)覚悟だけじゃアカンぞ。もっと自信を持って、オレがやったる!という強い気持ちを持ってやれ!」と熱いゲキもプレゼントされていた。

 「僕は“3年目までに1軍に出ないとダメ”というつもりで言ったんですが、社長がおっしゃったそういう(自信を持つ)ことも考えながらやっていこうと思います」

 沖縄へ向かう神戸空港に姿を現した北條はすっきりした表情を浮かべていた。海外FA権を行使していた鳥谷の残留が決定。昨秋、21Uワールドカップも経験し、急激な成長を見せたとはいえ、そう簡単には追い越せない相手。でも、後ろ向きになるのはもうやめた。腹は決まった――。「初日から万全の状態で取り組みます。結果を気にする前に、しっかり練習して、結果が出なかったらまた練習。その繰り返し。気持ちも高ぶってきました」。意気揚々とサバイバルの地へと飛び立っていった。

 北條にとって評価対象になるのはプレーだけではない。発する「声」も大きなアピールポイントとなる。ましてや「声出し番長」として近年の春季キャンプでMVPも獲得した経験がある新井は安芸スタートが決定。ならば、その役割もらった! 沖縄組で野手最年少の背番号2が元気に先輩を鼓舞すれば、必ずや和田監督以下首脳陣の心を打つ。

 「声は出していかないと。同じ力なら元気がある方を(試合に)使うと思うので。元気を出して頑張っていきたい」

 昨年、ファームの監督を務め、自身の長短所をよく知る平田ヘッドコーチだけではなく、師と仰ぐ掛布DCもキャンプ序盤は沖縄に滞在する。「お二人の存在は大きい。(昨年主に指導してもらい)気持ちの面で楽にいけるかなと思います」。生き残りをかけた、長く、つらい1カ月が始まる。

 「ベッドがあれば大丈夫です。寝たら体力も回復するので」と笑う姿が頼もしい。南社長の声で生まれ変わり、自身の声で宜野座を沸かせ、虎党の大歓声を浴びる場所へと歩んでいく。野球人生を左右する春が、まもなく幕を開ける。

 ≪過去の盛り上げ男≫

 阪神の“声出し番長”として知られたのは田中秀太。95年から15年間在籍したが、レギュラーに定着することはなく、代走や守備固めといったスーパーサブ的な起用がほとんど。それでも、ベンチにいる時は常に味方選手を大きな声で鼓舞し、チーム随一のムードメーカーとして存在感が光った。新井良太は12年の春季キャンプで練習中に大声を張り上げてチームを盛り上げ、和田監督から「声というところで選びたい」とキャンプMVPに選ばれている。

 10年から3年間在籍した城島は、敗れた試合の後ほど取材に丁寧に応じ、チームやファンに向けてメッセージを発信。チームを盛り上げるという意味では、今成が物まねをはじめとする数々のパフォーマンスでその役を担っている。

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2015年1月27日のニュース