夜も江夏氏開講へ キャンプイン即2・2 伝説投球術学ぶ

[ 2015年1月22日 05:30 ]

江夏氏(左)と和田監督

 キャンプイン即、「江夏塾」開講へ―。2月1日から沖縄・宜野座村で行う阪神の春季キャンプで臨時投手コーチを務めるOBの江夏豊氏(66)が、同2日夜にキャンプ参加全投手を対象としたミーティングで講義する方向であることが21日、分かった。キャンプ序盤に「イズム」を注入することで方針を明確にし、指導を円滑に進めることが可能となる。

 通算206勝、193セーブのレジェンド左腕が持つ野球理論とは、いかなるものか。江夏氏側からすれば、指導するにあたって、出来る限り早く自らの現役時を知らない子、孫世代の投手陣に「江夏の考え」を伝えておきたいところだろう。そこは球団側も承知している。だからこそ、早期に投手陣とコミュニケーションを図る場をもうける算段を整えている。江夏氏に“講義”を依頼した中村勝広GMが、方向性を口にした。

 「まだ(日程は)煮詰まっていないけどね。中西(投手コーチ)に投手陣は2日を空けておくように、という話をしている。(昨年11月の)OB戦の時から言ってある。さすがに1日は初日だし…ということでね」

 善は急げ―。ことわざにもある通り、現段階では球界の正月から一夜明けの「2・2」が筆頭候補に挙がっている。江夏氏がOKであれば、キャンプ2日目の夜、選手宿舎で「江夏塾」が開講されることになる。

 キャンプ序盤の開講はメリットも期待できる。事前に江夏氏の人柄、理論などを把握できていれば、実際の指導が円滑に進むことは間違いない。同氏が現役時代を過ごしたのは60年代後半から80年代前半。当時と比べ、投球理論、トレーニング理論などは目まぐるしく変化している。とはいえ、「野球」は変わらない。阪神では先発、南海、広島、日本ハム、西武ではリリーフで超一流の実績を残したレジェンドの教えを短期間で吸収するためにも、早期の「江夏塾」開講は意義がある。

 そして気になる“開催概要”とは…。それは、ともに食事を摂りながら和気あいあいと…というものではなさそうだ。球団関係者によると、当日は宿舎内の一室にキャンプ参加の全投手陣、首脳陣が集められ、ミーティングを開催。その中で江夏氏が、自らの理論、経験、指導方針などを開陳するという。時間としては小一時間を想定しており、受講する投手陣から江夏氏への質問を受け付ける質疑応答の時間も設定される見込み。まさに「塾」の様相だ。

 江夏氏はキャンプ第2クール途中の7日まで、投手陣の指導に当たる予定。球団創設80周年に30年ぶりの日本一を狙う阪神の投手陣を、「猛虎」に鍛え上げる。

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2015年1月22日のニュース