中日ファン 大豊さんを悼む「やり残したことはたくさんあるだろうに」

[ 2015年1月19日 20:11 ]

引退セレモニーでファンの声援に応える大豊泰昭氏=03年3月

 1994年に本塁打と打点の2冠に輝くなど中日で活躍した大豊泰昭さんが亡くなった。「努力を惜しまない。いい選手だった」。ファンたちは、最後まで急性骨髄性白血病と闘い続けた強打者の51歳での死を悼んだ。

 名古屋市千種区の中華料理店「ピカイチ」。店内には大豊さんが贈ったバットやグラブが飾られている。「豪快な一本足打法。まさしく中日の大砲だった」と声を上げたのは60歳の男性ファン。岐阜市の男性(62)も「中日を支えてくれた一本気な男。何かやってくれるという期待感があったよね」と大豊さんの在りし日をしのんだ。

 店を経営する兵頭勝子さん(75)は「やり残したことはたくさんあるだろうに」と言葉を詰まらせた。

 大豊さんが引退後、名古屋市内で経営していた中華料理店に行ったことがあるという自営業松村和幸さん(34)は「物腰が低く、手を抜かずに取り組んでいる姿が印象的だった」と振り返った。

 6年前に白血病にかかっていることが判明。4年前には、岐阜県海津市の「千代保稲荷」の活気に満ちた参道が「故郷の台湾に似ている」と店を移転した。体調が悪くなっても「同じ病に苦しむ患者さんの希望になりたい」と店頭に立ち続けた。

 近くで青果店を営む浅野美恵子さん(66)は「昨年秋ごろから明らかに体調が悪そうで、あいさつもつらそうだった。最近、姿が見えなかったので心配していたんだけど…」と声を落とした。

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