打者・大谷 黒田と対戦熱望 打席で感じ投球に還元へ

[ 2015年1月18日 05:30 ]

ニッポンハムグループ展示会で試食を楽しむ(前列左から)大谷、栗山監督、(後列左から)上沢、中田、西川

 これぞ、二刀流の学び方だ。日本ハム・大谷翔平投手(20)が17日、千葉市の幕張メッセで開催された日本ハムグループ商品展示会に参加し、8年ぶりに国内復帰する広島・黒田博樹投手(39)との対戦を熱望した。投打の二刀流らしく、投げ合うだけではなく「打者・大谷」として、日米182勝右腕の投球を肌で吸収する。「メジャー帰りのベテランエース」VS「二刀流の若武者」は2015年シーズンの目玉となりそうだ。

 花巻東時代からメジャー志向の強い大谷にとって、黒田は「神様」のような存在である。メジャー7年間で79勝、日本投手最長となる5年連続2桁勝利を記録中ながら、全盛期の力を保持して日本に戻ってきた。当然、二刀流の心は躍った。

 「凄い投手。黒田さんと会ったことはないけれど、米国で何年も結果を残して長く活躍している。セ・リーグなのであまり対戦するチャンスはないかもしれない。それでも、そういう機会があれば勉強になる」

 11日に故郷の岩手県奧州市で成人式を終えたばかりの20歳にとって、来月40歳となるベテランとは親子ほどの年齢差がある。日本で通算103勝を挙げた広島のエースがメジャー挑戦したのは08年。当時の大谷は中学生だった。つまり、メジャーを意識し始めた頃から、黒田はテレビの中で活躍する超一流のメジャーリーガーであった。

 「黒田さんの本も読んでいる」と、メジャーでの生き残り術として配球や球の握りなどを記した黒田の著書「クオリティピッチング」を読破したことも告白。そんな手本がいる。これを活用しない手はない。交流戦だけではなく、広島とは2月28日に練習試合(名護)、3月17、18日には札幌ドームでオープン戦が組まれている。早ければ、夢の対決がここで実現する可能性も十分にある。

 大谷だからできることがある。普通の投手ならば、投げ合いながら相手の投球を観察するしかないが、二刀流ならではの手段があった。「何かを感じることができるとしたら、やっぱり打席かな」と「打者・大谷」として黒田の投球を肌で感じ、その経験を「投手・大谷」に還元するのだ。

 黒田は大リーグ球団からの20億円超のオファーを蹴って、広島への「古巣愛」を貫いた。将来的にメジャー挑戦の希望を持つ大谷は「自分はまだチームを離れたことがない。その感覚は分からないが、現役バリバリの素晴らしいボールを近くで見られる」とまるでファンのように喜んでいた。

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2015年1月18日のニュース