青木 世界一ジャイアンツと合意 1年契約、年俸4億6800万円

[ 2015年1月17日 05:30 ]

ジャイアンツと契約合意した青木

 ロイヤルズからフリーエージェント(FA)となっていた青木宣親外野手(33)が、昨季ワールドシリーズを制したジャイアンツと1年契約で合意したことが15日(日本時間16日)、分かった。米メディアによると、年俸400万ドル(約4億6800万円)の1年契約で、2年目は球団が選択権を持つオプション付きとなる。現在、沖縄県浦添市内で自主トレーニングを行っている青木は近日中に渡米し、正式契約を結ぶ。

 所属先決定を待ちわびていた青木のもとに、ついに朗報が届いた。新天地は、くしくも昨季ワールドシリーズで戦って敗れた因縁のジャイアンツ。米メディアは15日「青木がジ軍と契約した」と伝えた。

 移籍先として「優勝を狙えるチーム」を希望してきた青木にとっては、過去5年間で3度ワールドチャンピオンに輝いた強豪は、希望条件に合致する最適のチーム。レッズやオリオールズなど複数球団が青木獲得に興味を示していたが、ジ軍から世界一を狙うことになった。

 ブルワーズからロイヤルズにトレード移籍した昨季は、主に1、2番として出場し、打率・285、出塁率・349でチームをけん引した。6月には左脚付け根の痛みで自身初となる故障者リスト入りするなどケガにも泣かされたが、9月は打率・375と復調。29年ぶりのワールドシリーズ進出の立役者となった。

 ジ軍は今オフに主力のモースがマーリンズに移籍し、正中堅手パガンが9月に腰の椎間板ヘルニアの手術を受けて今季が不透明と外野手が手薄な状況だった。同じ左打ちで「1番・左翼」候補のブランコがいるが、昨季は打率・260と物足りない成績。過去3シーズンで通算打率・287、出塁率・353を記録し、「1、2番のスペシャリストになりたい」と話す青木にとって、ブルース・ボウチー監督のもと、スモール・ベースボールを展開する強豪は自身のプレースタイルにフィットする。温暖な西海岸で、日本人が過ごしやすい住環境も魅力的だ。

 最近の青木は、代理人から連絡がないか、携帯電話の着信を確認するのが朝の日課となっており、「どうしてもそわそわしてしまう。やっぱり日本人だなと思う」と話していたが、これで一層腰を据えて自主トレにも打ちこめる。

 打率3割、200安打を目標に掲げるメジャー4年目の今季は、ブ軍時代に2年間プレーしたナ・リーグでの再出発となる。昨季ワールドシリーズであと1勝及ばずにジ軍に負けたことで、「負けたことで世界一になるということが次の目標になった」と言った。その強さを目の当たりにしたジ軍のユニホームを身にまとい、世界一への挑戦をスタートさせる。

 ▽サンフランシスコ・ジャイアンツ 1883年にニューヨーク・ゴサムズとしてナ・リーグに参加。86年に球団名をジャイアンツに変更した。1958年に本拠地をカリフォルニア州サンフランシスコに移転。メジャー歴代1位の通算762本塁打を放ったバリー・ボンズも在籍した。昨季はワイルドカードから勝ち上がり、1905、21、22、33、54、2010、12年に続く8度目のワールドシリーズ制覇。本拠地はAT&Tパークで収容人員は4万1915人。

 ◆青木 宣親(あおき・のりちか)1982年(昭57)1月5日、宮崎県生まれの33歳。日向から早大に進み、同期の鳥谷(阪神)らと早大初のリーグ4連覇を達成。03年ドラフト4位でヤクルトに入団。05年に史上2人目、10年に史上初の2度目の200安打をマーク。日本通算3900打数1284安打で打率.329、84本塁打、385打点。11年オフにポスティング・システム(入札制度)を利用してブルワーズ入りし、13年オフにロイヤルズにトレードで移籍。1メートル75、80キロ。右投げ左打ち。

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