ハム上沢 新球「杉内シンカー」習得へ、初の2桁勝利もくろむ

[ 2015年1月15日 09:27 ]

ブルペンで投げ込む上沢

 日本ハムの上沢直之投手(20)が14日、「杉内シンカー」の習得に乗り出した。千葉県鎌ケ谷市の室内練習場でブルペン入りすると、巨人の杉内俊哉投手(34)と同じ握り方のシンカーを試投。左打者の外角に逃げながら落ちる軌道に手応えをつかんだ。昨季はプロ初勝利を含む8勝を挙げるなどブレーク。4年目の今季は新球を引っさげ、初の2桁勝利を狙う。

 室内練習場のブルペンに上沢の声が響いた。「シンカー行きます!」。ゆったりとしたフォームから右腕を鋭く振る。だが鋭い腕の振りとは対照的に、球は緩やかな軌道を描きながら左打者の外角に逃げながら沈んでいった。

 「たぶん試合で使います。僕の中では手応えがありますね。あまり見ない軌道なので投球の幅が広がると思います」

 3年目の昨季は4月2日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で、6回を3安打1失点に抑えプロ初登板初勝利。先発ローテーションの座をつかむと、あれよあれよという間に8勝を挙げた。2桁勝利を期待される今季。他球団が研究してくるのは分かっている。そこで目をつけたのがシンカーだ。

 握り方は中指を浮かせ、残りの4本の指でしっかりとホールド。ひねらずそのまましっかりと腕を振ると、シンカーの軌道になるという。「杉内さんと同じ握りです。握りやすい形をいろいろ試すうちにこうなりました」。指先の感覚を要するため制球するのが難しい球種だが、ソフトバンク・摂津や巨人・杉内ら使い手はいずれも一線級の投手だ。

 握り方だけでなく考え方も杉内を参考にする。今オフに見たテレビで「変化球のときは思い切り腕を振り、直球のときは腕の振りを少し緩める」と杉内が話していたのを聞き、共鳴した。「腕をゆっくり振って球がピュッと来たら打者は差し込まれると思うし腕を振って球が来なければ打者のタイミングを外せる」。

 昨季の活躍で年俸は500万円から2300万円に大幅アップ。それでも「2年後、退寮するまでにお金をためなきゃ」とまだ満足はしていない。だが、習得中のシンカーを自分の宝刀にできれば、都内の一等地に住むことだって夢ではない。

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2015年1月15日のニュース