京大くん 新人合同トレ「首席」 持久走で驚がくぶっちぎり

[ 2015年1月11日 05:30 ]

ポール間走でトップで折り返す田中

 スピードも持久力も「首席」だ。ロッテのドラフト2位・田中英祐投手(22=京大)が、さいたま市のロッテ浦和球場での新人合同自主トレーニング2日目で、ポール間ダッシュやシャトルランなどのランニングメニューで新人7選手の中でトップの成績を収めた。体力面での不安を一掃した京大出身の秀才右腕に、首脳陣も最敬礼だった。

 1メートル80、75キロの細身の体に、無尽蔵のスタミナが宿っていた。田中が力強いストライドで、ぐんぐん加速していく。外野の両翼のポール間をダッシュで往復するメニューの1本目。3往復(900メートル)で6分のタイム設定だったが、トップで駆け抜けた田中はなんと3分30秒。2本目から2往復(600メートル)を3分という設定に変わっても、ラスト6本目でこの日最速の2分21秒でゴールした。

 「走った感じで前に行けると思った。途中で一瞬やばかったけど、自分のペースで走りきれた」

 続くシャトルランでも、常に先頭を争うスタミナと積極性を見せた。50メートルから徐々に距離を縮めてターンしながらダッシュするこの往復持久走(計300メートル)の目標タイムは1分フラット。田中は新人7人の中で最速となる55秒でクリアした。「僕の場合はスタミナがどうかな、と思われているところがあったはず。いいアピールになったと思う」と振り返った。

 指導する大迫1軍トレーニングコーチも驚嘆した。「持久力もスピードもある。逆にこっちがびっくりしちゃった。そこまでトレーニングをする時間があったの?って聞きたいぐらい。体力面は二重丸だよ」。西武でも指導経験がある同コーチは「岸(孝之)が入ってきた時と同じ。姿がダブって見えた」と、昨年5月2日のロッテ戦(QVCマリン)でノーヒットノーランを達成するなどプロ8年間で89勝を挙げている西武の細身(1メートル80、70キロ)の大エースの名を口にした。伊東監督もドラフト前から「岸のようなタイプ」と評していたが、その見立てがズバリ的中した。

 軽めの調整だった9日の初日から一転してハードな内容にも、「想定していたより量が多かったけど、何とかこなせた。(自主トレから)結果を残すしかない。それが一番ですから」と田中。練習後には初の即席サイン会も開き、化学の参考書にサインを求める女子高校生の姿も。始まったばかりではあるが、プロ生活の滑り出しは順調だ。 

 ▽シャトルラン 一般的には20メートル間を1本として計算し、音楽に合わせて休みなく往復して本数を競う。音楽のテンポは徐々に速くなり、到達できなければ失格となる。往復持久走ともいう。

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