ソフトBドラ4笠谷 有言実行男 次は「工藤監督超え」「最多勝」

[ 2015年1月11日 10:45 ]

入寮でルービックキューブを持参した笠谷

15年版球界新士録 ソフトバンクドラフト4位・笠谷俊介投手

 入寮の際に、笠谷が持ち込んだのは、あの懐かしい六面体のルービックキューブ。中学生の時に始め、今では手首をほとんど使わず、指先で器用にくるくると回し、わずかな時間で仕上げる。

 「そんなガチじゃないですよ。ただスピードはこだわっています。最高は1分10秒。平均1分30秒あれば6面、そろえられます。これが野球に生きているのかは分かりませんけど…」

 「スピード」の追求。古豪・大分商でもそうだった。入学早々に「チームを勝たせたいなら、自分にエースナンバーをください」と申し出た。小生意気な新入生と思われがちだが、渡辺正雄監督(42)の印象は違った。「学校の授業が終わると一番最初に走ってくるんです。1分1秒でも早く(グラウンドに)行きたいという姿を見てきた。この子ならば10年以上、遠ざかっている甲子園へも行けるんじゃないかと」。その数カ月後の福岡工大城東(福岡)との練習試合では、2012年ドラフト5位でソフトバンクに指名された笠原大芽に2―1で投げ勝った。そして指揮官の予感通り、笠谷は2013年夏に母校を16年ぶりの聖地へと導いた。

 甲子園では1回戦の修徳戦で8失点と打ち込まれたが、けん制で3つのアウトを奪うルービックキューブ並みの器用さを披露した。福山龍太郎スカウトは「野球センスの塊」と評し、王貞治球団会長はドラフト会議で「度胸がある」と指名を後押しした。

 マウンドでのスピードは最速143キロと目立たないが「杉内さん(巨人)のようにボールの切れ、制球で勝負する投手になりたい」。プロの世界でも気後れすることはない。「将来的には監督である工藤さんを超えたい」、「最多勝を獲りたい」――。口にしたことは必ず実現してきた17歳の未来が楽しみだ。 

 ◆笠谷 俊介(かさや・しゅんすけ)1997年(平9)3月17日、宮崎県生まれの17歳。大分市立横瀬小4年時に「富士見ネイチャーズ」で野球を始め、植田西中では「大分七瀬ボーイズ」に所属。大分商では1年夏からエース。2年夏の甲子園は1回戦で修徳(東東京)に敗退。高校通算16本塁打。座右の銘は「俺ならやれる」。遠投108メートル。持ち球は直球、スライダー、チェンジアップ、カーブ。1メートル74、68キロ。左投げ左打ち。

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2015年1月11日のニュース