植田 タヌキで下克上狙う!ドラフト5位から“他を抜く”ぞ

[ 2015年1月7日 05:30 ]

阪神仕様の信楽焼を持ち込んだ植田

 タヌキ効果で先輩たちをゴボウ抜きにする。阪神ドラフト5位・植田海内野手(18=近江)は故郷の滋賀県甲賀市の伝統工芸品である信楽焼で作られたタヌキの焼物を持ち込んだ。「他を抜く」に通じる縁起もので、下克上を狙う。

 「阪神のハッピをかぶっているものです。阪神ということで持って来ました。地元の焼物ですから」

 18歳ルーキーの新居に地元の名物陶器が鎮座した。ただし、ほとんどの人が目にしたことのある、あのタヌキ…ではない。阪神の帽子にハッピをまとい、手に持った絵馬には「優勝」の2文字が入った「タイガース仕様タヌキ」。球団承認の市販品で「自宅にあったもの」という一品を、新生活の“パートナー”として持ち込んだわけだ。

 植田本人は「意味とか、あまり知らないですが、地元の有名なものなので」と話すにとどめる。とはいえ新天地に臨む若武者にとっては格好の縁起物だ。呼称が「他を抜く」に通じるとともに、日本六古窯の一つである信楽焼のタヌキは「八相縁起」と呼ばれる縁起を表す。「大きな腹」は冷静さと大胆さ、手に持つ「徳利」は人徳、「大きな目」は周囲への気配りと正しい判断…などの八つの意味を持っているというのだ。

 「守備が一番、自分の(武器に)できる部分。アピールしていきたい」

 もちろん縁起に頼ってばかりではない。プロ入りに際し「(高校時代より)コンパクトで軽いものを作ってもらいました」と商売道具のグラブを新調。軽快なグラブさばきに、さらなる磨きをかける構えだ。「みんなに負けないよう、しっかり付いていきたい」。ドラフトでは最下位の5位指名。その評価を、ポーンと覆してみせる。

 ▽八相縁起 信楽焼のタヌキが表す、人生を成功に導くための8つの教訓。(1)笠(かさ)…災難から身を守る(2)目…四方八方に気を配る(3)顔…常に愛想良く振る舞う(4)徳利…人徳が持てるように(5)通(帳面)…世渡りには信用が第一(6)腹…大胆な決断力(7)金袋…金運に恵まれるように(8)尾…物事の終わりは、大きく太くしっかりと――という意味が込められている。

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