明大の高橋主将は広告マンに…東京六大学4年生の進路固まる

[ 2014年12月28日 12:49 ]

東京六大学・進路特集・大手広告代理店に内定した明大の高橋主将

 東京六大学野球リーグ4年生の進路がほぼ確定した。今秋リーグ戦を制し、明治神宮大会準優勝を果たした明大の高橋隼之介主将は大手広告代理店に内定。名門で磨きをかけた人間力を武器に、広告マンとして「頂点」を目指す。

 新潟・日本文理2年夏に甲子園出場。「2番・遊撃」を務め、決勝では堂林(現広島)擁する中京大中京と壮絶な打撃戦を展開。6点ビハインドの9回2死走者なしから5点を返し、球史に残る猛追を見せた。あと一歩及ばず準優勝も、高橋の5試合・524の高打率は鮮烈な記憶を刻んだ。翌年から捕手に転向し、大学も捕手で入学。しかし大学でのレギュラー争いはし烈を極め、3年春にはベンチメンバーから外れる悔しさを味わった。その一方で「リーグ戦のための練習を手伝ったり、神宮でチラシ配りをしたり。裏方を経験してすごく勉強になった」という。出場試合数は少なかったが4年時には主将に選出。ベンチワークに気を配り今秋リーグ戦優勝を果たした。

 挫折を乗り越えたことで、一つの希望が生まれた。「野球選手ではなく一個人として戦ってみよう」と広告代理店の受験を決意。「野球以外の自分を表現するのが難しかった」とエントリーシートの作成に悪戦苦闘しながらも、野球部で培った人間力をアピール。難関を突破した。入社前のため社名こそ非公開だが国内のみならず世界でも5本の指に入る超エリート企業。「明治大学野球部出身者の入社は初めてと聞いた。2020年の東京五輪に関わってみたい」と目を輝かせる。

 「野球を通じてたくさんの人に会って、見る目が磨かれたと思っています。野球はつなぎが大事。あの夏の甲子園だってつないだ結果だった。今度は僕が人と人をつないで、会社が手放せないような人になりたい」。野球人らしいつなぐ精神を胸に、広告業界の荒波をこぎ出す。

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2014年12月28日のニュース