阪神・岩田 引退覚悟のシーズンで自己最高6000万円「もっと投げられた」

[ 2014年12月26日 05:30 ]

契約を更改し記者会見を行う岩田

 阪神・岩田稔投手(31)が25日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1400万円アップの自己最高年俸6000万円でサインした(金額は推定)。今季は尻周りを強化し下半身主導の投球フォームで9勝をマーク。来季はさらなるヒップアップで自身初となる開幕投手争い参戦を表明した。岩田の更改で海外フリーエージェント宣言した鳥谷をのぞく全員が契約を終えた。

 シーズンを戦い終えた充実感や安堵感は一切ない。岩田の言葉には、すでに来季に懸ける熱い思いが宿っていた。

 「一言で言うと、悔しかった。自分の中ではもっと投げられた。引退を覚悟して臨んだので、開幕ローテーションに入れなかったのはショックだった」

 背水を胸に挑んだ今季は9勝(8敗)をマークし、防御率2・54はリーグ2位。誇れる数字を残しても、開幕ローテ落ちしシーズンを完走できなかったことが許せない。だからこそ自身初の開幕投手への意欲を問われると、即答した。

 「そういうところを目指していかないといけない。(他の投手に)負けると思っていたら戦えないので」

 現状、首脳陣が候補に挙げる能見、メッセンジャー、藤浪との開幕投手争いに堂々と殴り込みを宣言。ビッグマウスではない。確かな自信に加え自身の伸びしろを感じたからこそ口にしたのだ。

 「投球フォームの中で、もっとお尻を利かせたいなと。それが出来た試合と出来なかった試合の差が激しかった。尻回りを重点的に鍛えたい」

 今季は球速を捨て、下半身主導のフォームでボールのキレを重要視し結果が出た。ただ、登板ごとにムラがあったのも事実。年間通して安定した投球を続けるにはさらなる強化が不可欠で、すでに、他競技選手のトレーニング法を参考に取り組みを始めている。

 「競輪選手がやっているウエートはすごい。自分に合っているものをピックアップしていく」

 個人トレーナーの稲川翼氏は元トライアスロン選手で、その弟は30日の「KEIRINグランプリ」に出場する稲川翔という縁もあって、競輪選手のトレーニングに触れる機会は多く、他には水泳なども取り入れて春季キャンプまでに万全のボディーを作り上げる。

 いまだ未到達のシーズン200投球回にも「(今季の148回2/3から)まだ全然投げられる。こんなイニングで終わってたらダメですし、投げ続けたら近づいていく」と意欲を見せる。フル回転でプロ10年目に花を添える。

 ≪メッセはリーグ唯一の大台≫00年以降、阪神の開幕投手がシーズン200イニング以上投げたのは
02年・井 川209回2/3
03年・井 川206回
04年・井 川200回1/3
06年・井 川209回
11年・能 見200回1/3
の2人で5度。開幕投手以外では10年久保(202回1/3)と14年メッセンジャー(208回1/3)がいる。なお今季開幕投手を務めた能見はシーズン169回1/3。メッセンジャーはリーグ唯一の大台到達だった。

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