金子4年契約で残留 オリは米挑戦認めず…激動43日は何だった!?

[ 2014年12月25日 05:30 ]

オリックス残留を決めた金子は報道陣の質問に答える

 オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した金子千尋投手(31)が24日、大阪市内で会見し、オリックスへの残留を表明した。同日朝に球団に意思を伝え、4年総額20億円プラス出来高払いでサインした。今季の沢村賞右腕は11月下旬に今オフのポスティング・システムによる大リーグ挑戦を断念後、楽天、阪神、中日など国内の複数球団と交渉したが、最終的に残留という最も無難な形で決着した。オリックスは4年契約中のメジャー挑戦を認めないとしている。

 11月11日の国内FA宣言から43日。大山鳴動した末に、米球界も注目した日本No・1右腕が下した決断は「元サヤ」ともいえるオリックス残留だった。

 「(他球団に)素晴らしいオファーを頂いたが、それ以上にオリックスのチームメートと優勝したい気持ちが強かった」

 当初、金子はポスティング・システムでのメジャー移籍も視野に入れていた。加えて国内FA宣言をしたことで、史上初となる「併用」によって一時は日米42球団を巻き込んでの大争奪戦に発展する可能性もあった。しかし、古傷の右肘に全治3カ月を要する手術を受ける決断をしたことで、去就の選択肢が狭まった。異なる環境でリハビリをしながら開幕を目指すのは困難。結果として今オフのメジャー移籍は断念した。国内球団での獲得レースとなり、最終的に21日にオリックスと交渉、この日の朝に残留の意向を伝えた。

 「来季のチームが決まってすっきりした」と安どの表情も浮かべた金子だが、メジャー移籍という夢の実現は極めて難しくなった。この日も「いつかは、という気持ちはある」と大リーグへの憧れを隠さなかったが、球団側は来季以降のポスティング・システムの利用をあらためて否定し、4年契約中のメジャー挑戦を認めないと断言。瀬戸山隆三球団本部長は「とにかく長く、うちでやってもらう」とした。次に金子が海外FAを取得するには最短でも4シーズンが必要。早くても2019年シーズンからでないと大リーグのマウンドには立てないことになり、その時は36歳シーズン。仮に今オフ、国内FA権を行使していなければ、金子は来オフにも海外FAを取得し、自由にメジャー移籍することが可能だった。

 「残ることを決めたので、今は優勝することしか頭にない」とする一方で、来オフ以降もメジャー挑戦を球団に訴えるかどうかとの問いには「今はどちらとも言えない」と含みを残した。交渉した国内球団には、移籍して1、2年後にポスティング・システムにより大リーグ移籍を「付帯条件」とする球団も少なくはなかった。にもかかわらず、単年ではなく、4年という長期契約でオリックス残留を決めた金子。すでに23日から軽めのキャッチボールを再開した右腕の「選択」に釈然としない印象も残った。

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