球児レンジャーズ決定的!ダルと侍タッグ再び GM「来週には発表」

[ 2014年12月13日 05:30 ]

11年、日本ハムのダルビッシュ(左)と阪神の藤川

 カブスからフリーエージェント(FA)となった藤川球児投手(34)のレンジャーズ入りが決定的となったことが11日(日本時間12日)、分かった。ウインターミーティング最終日を迎え、交渉は合意目前で細部の詰めと身体検査を残すのみ。単年のメジャー契約で2年目は球団側が選択権を持つ見込みだ。日本代表として08年北京五輪、09年WBCでともに戦ったダルビッシュ有投手(28)と同僚となり、右肘じん帯再建手術からの完全復活を期すメジャー3年目に臨む。

 藤川が勝負のメジャー3年目を過ごす舞台が固まった。複数の球団が獲得に興味を示した中で、選んだ球団はレンジャーズだった。ジョン・ダニエルズGMは「ベテラン右腕で、1イニングを投げる救援投手との契約が近い。来週には完了し、発表できる」と発言。選手名は明かさなかったが、その右腕こそ藤川だった。

 同GMはその後、スポニチ本紙の取材に「(藤川だという)確証も与えないけど、否定もしないよ」と笑みを浮かべ、否定も肯定もしなかった。既に交渉は合意間近で、後は細部の詰めを残すだけだ。来週中に行われる身体検査を経て、異常がなければ単年のメジャー契約を結び、正式に発表される。

 今季、ア・リーグ西地区最下位に終わったレ軍の今オフ最大の課題は投手陣の整備。特に中継ぎはシーズン中に守護神ソリアーやベテランのフレーザーらをトレードで放出したため、手薄になった。最年長が27歳のシェパーズで20代中盤の選手がほとんど。経験豊富なブルペンのリーダーを必要としていた。日米通算222セーブを挙げ、国際舞台での経験も豊富な藤川は最適な人材だった。

 メジャー1年目の13年6月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた藤川は、今年8月にメジャー復帰した。15試合に登板し0勝0敗、防御率4・85で、3連投も経験。「それ(3連投)ができたのはプラス。何とかケガすることなく終われた」と手応えを口にしていた。

 別のレ軍関係者は「手術から18カ月がたった。過去の例から見て、来季は活躍できると考えた」と説明。レ軍は今季中まで在籍したソリアー、コッツら、トミー・ジョン手術経験者の再生に実績があり、「うちのスタッフは術後の世話に慣れているし、自信もある。藤川は9月の試合でも93マイル(約150キロ)が出ていたし、良い兆候が見られた」と続けた。同手術は約2年を経て、球速や球質が向上する傾向が見られる。藤川自身も今季中から「肘の状態が本当に良くなるのは来年」と勝負の年を見据えてきた。

 現状では中継ぎだが、抑えのフェリスも12年の右肘手術から復活途上にあり、状態次第ではシーズン中にクローザーを任される可能性も十分にある。同僚となるダルビッシュとはプライベートでも交流があり、13年1月には合同自主トレで汗を流した。旧知の右腕との日本人リレー実現も話題を呼びそうだ。火の玉ストレート完全復活へ、しゃく熱のテキサスから挑む。

 ▽今季のレ軍投手陣 チーム防御率4.49はメジャー30球団中28位。67勝95敗のリーグ最低勝率(.414)に沈む原因となり、先発はダルビッシュ、ペレス、ハリソンら故障者が続出した。プレーオフ進出を早々に諦め、中継ぎのソリアー、フレーザーを有望な若手との交換トレードで放出。経験豊富なコッツ、オガンドもFAとなった。20代半ばの若手しか残っておらず、ダニエルズGMは「ベテランで経験豊富で、安定した救援投手が必要」と話していた。

 ◆藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年(昭55)7月21日、高知県生まれの34歳。高知商から98年ドラフト1位で阪神に入団。04年に中継ぎに転向して07、11年に最多セーブを獲得し、球宴に8度出場。08年北京五輪、06、09年WBC日本代表。12年オフに海外FA権を行使してカブスに入団。メジャー初登板となった13年4月1日のパイレーツとの開幕戦で初セーブを挙げた。1メートル84、86キロ。右投げ左打ち。

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