大谷 高卒3年目1億円の先輩・松坂と対戦熱望「打ってみたい」

[ 2014年12月6日 05:30 ]

「日本一」と書いた扇子を手に笑顔の大谷

 日本ハムの大谷翔平投手(20)が5日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、7000万円アップの年俸1億円でサインした。高卒の入団3年目の大台到達は、1億円だった01年の西武・松坂大輔投手(34)と並ぶ最速。今季はチーム最多の11勝、10本塁打と投打で活躍したことも加味された。3年目を迎える来季は、この日、ソフトバンクへの入団を表明した松坂との対戦を熱望した。

 球速だけでなく昇給のスピードも加速した。233%アップで大台に到達。紺色を基調とした真新しい格子柄のスーツ姿で登場した大谷は「ピッタリ、1億円。最大限の評価をしてもらった」と感謝の気持ちを吐露。そして「金額が大きすぎるので実感はないが、犬が欲しい。寮生活なので実際には飼えないが、うち(岩手の実家)のはでっかいので、小さい犬がいい」とはにかんだ。

 投げては11勝、打っても10本塁打。1918年のベーブ・ルース(レッドソックス)以来となる2桁勝利&2桁アーチを記録した二刀流の評価は、今季年俸3000万円から7000万円増という大幅昇給で示された。厚生労働省によると、高卒男子2~6年目の平均年収は約192万円。同世代の約50倍となる給料を手にする大谷はいつも背筋をピンと伸ばし大人の雰囲気を醸し出しているが、さすがに同世代と変わらぬ若者の素顔をのぞかせた。

 「二刀流査定」だから大台に届いた。島田利正球団代表は「投手と野手のポイントがあって(査定が高いのは)2つやっているから。両方がプラスだった」と説明。投手としてチームトップ11勝をマークしただけでは1億円到達はありえなかった。

 年俸が大きくなれば、責任も重くなる。大谷の言葉にも力がこもった。「来季は優勝が一番の目標。開幕投手も目指したい。大事な試合で先発を任せてもらえる信頼が必要になる」。エースの称号ともいえる「開幕投手」、ついに名乗りを上げた。

 高卒3年目で年俸1億円到達は01年の西武・松坂以来、史上2人目だが、偶然にもこの日、日米164勝右腕がソフトバンク入団を発表。これには大谷も「僕にとって憧れの存在。機会があれば対戦したい。打席に入ってどんな感じなのか打ってみたい」と打者としての対決を心待ちにした。

 今季日本一のソフトバンクだけでなく、2位オリックスもアスレチックスからFAとなった中島を獲得。「オリックスは(同僚だった)小谷野さんも補強した。凄い相手と対戦することは楽しみ。今年よりも(すべての面で)上にいかないといけない。下がることは許されない」。相手が強敵なほど大谷は闘志を燃やす。二刀流3年目は、どんな進化を見せて駆け抜けるのだろうか。

 ▼日本ハム・中田(大谷の1億円到達に)うっわ、凄い。でも1億もらっていい結果を残している。それぐらいいいんじゃないですか。

 ▽1億円 1万円札で1万枚で、重さは約10.2キロ。日本銀行の金庫では、縦32センチ×横38センチ×高さ10センチの束にして保管されている。1円玉に換算して積むと高さは約100キロの距離となり、東京―熱海間とほぼ同じ。日本で最高地価の東京・銀座の山野楽器本店の土地なら3.8坪ほど購入が可能だ。また、江戸時代に流通した1両は現在の価格で約13万円とされ、1億円は769枚分に当たる。

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