松坂 日米200勝へ肉体改造!キレ味重視04年ボディーで勝負

[ 2014年12月4日 05:55 ]

米国から帰国した松坂

 ソフトバンク入りが決まった前メッツの松坂大輔投手(34)が3日、成田空港着の日航機で米国から帰国した。来季、9年ぶりの日本球界復帰を果たす右腕は、体重を西武時代の04年当時の85キロまで落とすことを決意。パワー重視だったメジャー流ボディーから日本流に肉体改造し、あと36勝に迫った日米通算200勝を目指す。松坂は5日に福岡市内のホテルで行われる入団会見に臨む。

 9年ぶりの日本復帰を決めた松坂は、疲れた表情ひとつ見せず、笑顔ものぞかせた。今までの一時帰国とは意味合いは違う。これから主戦場となる地に足を踏み入れたが、「まだ実感が湧かないですよね」。いつもと変わらぬ穏やかな表情が印象的だった。

 メジャー8年間で通算56勝を挙げたが、ここ数年は右肘手術の影響もあり、不本意なシーズンを過ごした。日本復帰の経緯や、ソフトバンク入り決断の理由については、5日の入団会見で明かされる。だが、来季へ向けての内なる準備はすでに始まっていた。

 「体重を85キロか86キロにしてシーズンに入ろうと思っています。そこからシーズン中に体重が増える分には問題ない。逆に体重を落とすことをしたくはない」

 今季メッツでは92キロ。レッドソックス時代の09年には内転筋を痛めた影響で95キロを超えていたこともある。ここ数年は92キロ前後で推移してきたが、85キロとなると「西武時代の04年あたりですかね。(日本最終年の)06年の時は88キロくらいでしたから」と語る。04年といえば、アテネ五輪に出場し、シーズンでは2年連続で防御率のタイトルを獲得した年。24歳だった10年前の肉体に戻し、開幕に向かうことになる。

 1メートル83と平均的な上背の松坂にとって、メジャーの舞台で戦うにはパワーが必要で、体重増は必然でもあった。だが、日本では違う。「マウンドの土質がまず違う」と語る。踏み出した左足がロックされずに滑るため、下半身主導の体全体を使った投球フォームづくりが必要となる。そのためにはパワー以上に体の切れが大事。日本仕様の肉体改造といえる。

 10月下旬からボストンでトレーニングを行っていた松坂は、現在は90キロ前後をキープしている。「なるべく夜の食事を控えめにする」と今後も食事制限を続けながら、自主トレ、そして2月1日からの宮崎キャンプと、トレーニング量が増えることで、無理なく体重減を図っていく考えだ。

 来季は35歳を迎える。「代謝が落ちることも想定しなければいけない」と先も見据える。長く現役生活を続ける目標がある。一度体を軽くすることで、今後の肉体的な変化にも対応しやすくなる。日米通算200勝まであと36勝。「絶対に200勝は達成しないといけない」と話す右腕にとって、いわば200勝ボディー構築への第一歩ともいえそうだ。

 松坂は4日にも福岡入りする。ファンの大きな期待と自らへの責任を背負って、日本に戻ってきた。

 ▽04年の松坂 アテネ五輪出場などの影響で登板数が少なく、先発19試合で10勝止まりだったが10完投、5完封はリーグトップ。防御率2・90で最優秀防御率のタイトルも獲得した。前半戦の5月には腰の張りで離脱。しかし7月10日の球宴第1戦では自己最速タイの156キロをマークしてMVPに輝いた。アテネ五輪ではキューバ戦で勝ち星を挙げるなど銅メダル獲得に貢献。中日との日本シリーズでは第6戦で勝利投手となり、第7戦にも中継ぎ登板して日本一に。日米野球では11月11日の第6戦で完投勝利を挙げた。

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