則本 倍増で1億2000万円、さらなる責任感「沢村賞獲りたい」

[ 2014年12月4日 05:30 ]

6000万円から倍増の年俸1億2000万円でサインした楽天・則本

 喜びより責任感が上回った。仙台市内の球団事務所で行われた契約更改交渉に臨んだ楽天・則本は、6000万円から倍増の年俸1億2000万円でサイン。球団史上最速で大台を突破した右腕は「日本で一番の投手となり、来年は最多勝、沢村賞も獲ってみたい」とさらに高みを見据えた。

 新人だった昨季は15勝。今季も2年連続で開幕投手を務めるなど14勝を挙げ、204奪三振でタイトルも獲得した。球団からは複数年契約を提示されたが「1年ずつ勝負」との思いから固辞。「開幕投手と2桁勝利はずっと続けたい」。入団から3年連続開幕投手となれば、60年杉浦忠(南海)以来55年ぶりとなる。

 来季のテーマは「安定」。今季は7完封を記録しながら好不調の波が激しく、8月15日のロッテ戦(コボスタ宮城)で1安打完封で約1カ月半ぶりの白星を挙げた際は、お立ち台で号泣した。「7完封でも防御率3・02ではエースと呼ばれない」と表情を引き締める。

 目指すは昨季24勝無敗で日本一に貢献した田中(現ヤンキース)のような「負けない投手」。来年1月に2年連続で合同自主トレを行うが、目標の一つが「スプリットの習得」だ。今季は夏場にフォークの落ちる角度が小さくなった時期があり「それを意図的に投げられたら武器になる。田中さんにも聞きたい」。田中も10年途中からスプリットを投げ始め、11年の沢村賞につなげた。

 11月の日米野球の第3戦(15日、東京ドーム)では5回を完全に抑え、メジャー関係者にも名を売った。現時点でメジャー志向は低い則本も「田中さんの存在もあってメジャーを身近に感じるようになった」と言う。まずは日本の頂点を極めるべく「沢村賞」を狙う。

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2014年12月4日のニュース