中田 2億円でサイン、リーダー自覚 若手に信賞必罰ノルマ

[ 2014年12月4日 05:30 ]

契約更改交渉を終え、シャンパンクラッカーを鳴らす日本ハム・中田

 自身初タイトルの打点王を獲得した日本ハム・中田翔内野手(25)が3日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み5000万円アップの年俸2億円で一発サイン。チームでは陽岱鋼(ヨウダイカン)外野手(27)に並ぶ球団最高年俸に躍り出た。会見では年俸3億円と勘違いし、爆笑ムードも演出。名実ともに「チームの顔」となった主砲は中田流リーダーシップで若手を引っ張っていく。

 予想外の金額に会見場が静まり返った。中田は真顔で「3億円ピッタリでサインした」と開口一番。今季は不動の4番として全144試合に出場し、100打点で初のタイトルも獲得した。攻防ラインは2億円と思われていたが、今季1億5000万円からまさかの倍増に、誰もが驚いた。

 「個人的には納得できる成績でなかったが、ここまで評価してもらってびっくりしている」と続けたが、見守っていた球団広報が慌てて、指2本を突き立てた。これに気付くと「あれ、3億でなくて2億だっけ。間違えちゃった」。天然か、それとも中田流のボケか。会場は爆笑に包まれた。

 さらに続く。「欲しい物はない。全て手に入れた」と豪語。契約更改前に「車も買った」と推定3300万円で日本に数台しかない外国製の高級スポーツカーを購入したことも告白した。これから雪が積もる札幌で運転できるかは不明だが、新しい愛車をゲットしたのだからご機嫌だ。

 兄貴分の稲葉と金子誠が現役を引退。年俸でも球団トップとなった中田には、リーダーの自覚も芽生えている。今季は若手にさまざまなノルマを課し、大谷には「12勝以上で好きな物を買ってやる」と約束。1勝足りなかったためご褒美はお預けとなったが、プロ初本塁打を放った石川慎にはスーツケースとバッグ、72試合に出場した谷口と8勝を挙げた上沢にはネックレスを贈った。

 先輩が活躍した後輩にプレゼントを贈るのはよく聞く話だが、中田は違う。「(中島)卓也はノルマにあと1安打、近藤は4安打足りなかった。俺のノルマ設定はいい線を突いている。でも、プレゼントするだけだと、こっちはマイナス。達成できなかったヤツらには、あとで見返りを持って来させる」と信賞必罰も独断で決めた。

 来季で8年目。「入団した頃は、もう年俸5億円ぐらいは稼いでいると思っていたよ」と笑い飛ばしたが、生え抜きの球団高卒野手では最速の2億円到達。やんちゃな少年だった中田も、今では球界を代表するスラッガーだ。

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2014年12月4日のニュース