ソフトB オランダ代表154キロ右腕獲り 2年4億円で他球団リード

[ 2014年11月28日 08:35 ]

2009年WBCオランダ代表のリック・バンデンハーク(ゲッティ=共同)

 ソフトバンクが、韓国サムスンのリック・バンデンハーク投手(29)の獲得に向け本格調査を行っていることが27日、分かった。09年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にオランダ代表として出場した右腕。巨人など国内複数球団が興味を示しているが、ソフトバンクは2年総額4億円を準備するなど条件、環境の両面で優位とみられる。獲得に成功すれば入団に合意している松坂大輔投手(34)に続き、工藤新体制2人目の補強となる。

 松坂の次は、オランダ人だ。ソフトバンクはシーズン中からバンデンハークに注目。現地にも担当者を派遣し、入念に実力をチェックしてきた。日本球界でも十分に通用すると判断したもようで、球界関係者によれば「ソフトバンクや巨人、他にも何球団かが本格的に調べている」という。

 09年の第2回WBCではオランダ代表として活躍した右腕の最大の武器は直球。1メートル96の長身から投げる150キロ台前半で攻めの投球を展開する。メジャーでは通算8勝に終わったが今季は先発ローテーション投手として13勝をマーク。防御率3・18、180奪三振で最優秀防御率と最多奪三振の2冠を獲得した。

 ソフトバンクは2年総額4億円を用意しているもよう。今月30日までサムスンに保有権があるため、12月に入ってすぐ交渉の席に着けるように入念な準備を進めている。国内複数球団が興味を示すが、気候の安定するドーム球場を本拠地とし、今季まで所属していた韓国野球界のスター・李大浩(イ・デホ)がいるなど溶け込みやすい環境面も魅力的。現状でソフトバンクが優位であることは間違いない。

 3年ぶりの日本一を奪回したソフトバンクだが、エースの摂津は右肩筋疲労もあり先発転向後は初めて規定投球回数に届かなかった。外国人でも、6月に右肘手術を受けたウルフの復帰が来夏になる見込み。後藤芳光球団社長は「先発はどれだけいても十分ということはない」と話している。

 オランダ出身の投手は日本球界では珍しいが、今月中旬に東京ドームで行われていた日米野球を観戦するなど、勉強熱心な性格も日本向き。「常勝軍団」に向けた第一歩となる来季に大きな戦力となりそうだ。

 ◆リック・バンデンハーク 1985年5月22日、オランダ生まれの29歳。02年にマーリンズと契約。07年にメジャーデビューし、09年の第2回WBCではオランダ代表としてアメリカ戦とプエルトリコ戦に登板した。13年に韓国サムスンに移籍。1年目に7勝を挙げると、今季は25試合に登板して13勝(4敗)をマークし、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得した。最速154キロ。1メートル96、87キロ。右投げ右打ち。

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2014年11月28日のニュース