セMVPの菅野 由伸超え!巨人3年目史上最高年俸1億1000万円

[ 2014年11月27日 05:30 ]

MVPを受賞した菅野(左)と金子

 プロ野球の「NPB AWARDS 2014」が26日、都内のホテルで開かれ、今季のセ・リーグの最優秀選手(MVP)に、巨人・菅野智之投手(25)が初めて選ばれた。コンベンションの前には、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4000万円増の年俸1億1000万円でサイン。入団3年目の選手では、00年の高橋由伸外野手(39)の1億円を超える球団史上最高年俸を手にした。パ・リーグのMVPはオリックスの金子千尋投手(31)が初受賞した。

 壇上で満面の笑みを浮かべた菅野が、受賞会見ではぐっと表情を引き締めた。MVPの重みをしっかりと受け止めた証だった。

 「周りにずばぬけた活躍をした人がいなかったからだと思う。これに満足しているようじゃ駄目。本当に名誉ある一番大きな賞。重圧も力に変えて、来年以降も呼ばれるような選手になっていきたい」

 最優秀防御率、ベストナインに加え、選手最高の栄誉も手にした。巨人の投手でMVP受賞は94年の桑田真澄以来、8人目。「野球だけでなく生活面でもお手本となるように行動、言論を意識しながらやっていく」。球界を代表する選手としての自覚がのぞいた。

 その数時間前に行われた契約更改交渉では、球団の歴史を塗り替えた。今季の7000万円から4000万円増の1億1000万円。入団3年目では07年マイケル中村(日本ハム)に次ぐ史上2番目、球団では00年高橋由の1億円を抜く最高額で更改した。菅野は「いい評価をしていただいた。球団の期待を感じました」と話したが、もちろん満足はしていない。

 12勝5敗、防御率2・33の成績には「見栄えのいい数字は並んでいるが一切満足はない」という。右手中指の負傷、そして右肘じん帯の部分損傷。終盤の優勝争い、クライマックスシリーズではチームの力になれなかった。「一番はローテーションを守ること。数字は最低15勝。そして日本一。全ての数字で今年を上回りたい」。今季初めて務めた開幕投手についても「立ち続けたい、続けなければいけないと思った」と強い意欲を示した。

 12月初旬には自主トレ先の米アリゾナ州へ出発。ホノルルへの優勝旅行後も海外で自主トレを行う。1月もハワイかサイパンを候補地に1月下旬まで、じっくりとパワーアップを図る予定だ。

 「年間を戦い抜く体力、速球、フォークボールに磨きをかけたい。ウイニングショットの精度を高めることです」

 1度の受賞では意味がない。MVPの常連となるべく、菅野はすでに先を見ている。 

 ≪G投手では桑田以来20年ぶり≫巨人からのMVP選出は12年の阿部以来だが、投手に限ると、94年の桑田真澄以来20年ぶり8人目となった。それ以前では、別所毅彦(52、56年)、大友工(53年)、藤田元司(58、59年)、堀内恒夫(72年)、江川卓(81年)、斎藤雅樹(90年)。また、パのMVPが優勝球団以外から選出されるのは08年の岩隈(当時楽天、現マリナーズ)以来。金子で6年ぶり11人目となった。

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