DeNA戦力外の藤井が引退 オファーなし「これが現実」

[ 2014年11月27日 05:35 ]

現役引退を表明した藤井

 DeNAを戦力外となっていた藤井秀悟投手(37)が現役を引退することが26日、分かった。

 プロ15年目の今季は1軍登板なし。トライアウトを2度受けたが獲得球団はなく、「まだやれる思いはあるが、オファーがなかった。自動的に引退です」と決断した。近日中に発表される。

 早大から99年にヤクルトにドラフト2位で入団。その後、日本ハム、巨人、DeNAと4球団を渡り歩いた。01年に14勝で最多勝を挙げるなど通算は83勝81敗、防御率3・77。ヤクルトでトレードを経験し、日本ハムでは09年オフにFA権を行使したが獲得球団がなく浪人の危機に瀕(ひん)した。巨人在籍時の12年は村田の人的補償でDeNAへ移籍。波瀾(はらん)万丈の野球人生だった。

 「僕は直球も速くないし凄い変化球もない。最短距離でうまくなりたいから準備と予測を大切にしてきた」。新人の00年に救援のみで31試合登板したが、走者がいない場面では先発への配置転換に備えて振りかぶって投げた。直球の球速は年々落ちたが、打者の打ちにくいフォームを追求してテークバックは小さくなり、多彩な変化球と制球力を身に付けた。

 素行不良のレッテルを貼られ、周囲に誤解されることも多かった。「酒を飲めないのに飲み歩いてるとか、どこの街も好きなのに東京以外の球団に行きたくないとか…。結構繊細なんです」。将来への不安から、午前4時半に目が覚めることもあったという。「辞める実感は湧かないが、これが現実。受け入れないといけない」。独立リーグ、海外からのオファーは、全て断りを入れた。今後の去就は未定だが、個性派左腕は未練を断ち切って第二の人生を歩む。

 ◆藤井 秀悟(ふじい・しゅうご)1977年(昭52)5月12日、愛媛県生まれの37歳。今治西では3年春のセンバツで4強。早大を経て、99年ドラフト2位でヤクルト入団。2年目の01年に14勝を挙げ最多勝、ベストナインを獲得。08年に交換トレードで日本ハム、10年にFAで巨人、12年に人的補償でDeNAに移籍。今季10月3日に戦力外通告を受けた。通算成績は284試合で83勝81敗、防御率3.77。1メートル75、86キロ。左投げ左打ち。

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