梅野 ゴルフ中「グリーン会談」でフルイニングマスクだ

[ 2014年11月22日 05:30 ]

大幅アップに笑顔がこぼれる梅野

 阪神の9選手が21日、兵庫県西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨んだ。梅野隆太郎捕手(23)は960万円増の1800万円(金額は推定)でサイン。今季チームの捕手では最多の92試合に出場した成長株は、来季目標に「全143試合フルイニングマスク」を掲げた。オフにチームメートと回るゴルフ中の「グリーン会談」をグラウンドに生かす。

 前日20日に打ち上げた秋季キャンプの疲れなど、一瞬で吹き飛んだ。明細に記された、自身の高評価を表す金額。今季の2倍以上、114%増という提示に何の迷いもなく判を押し、会見で充実の1年を振り返った。

 「1年間よく頑張ってくれた。来年はこの経験を生かしてほしい、と言っていただいた。まだまだ成長段階だと思いますし、勉強していきたい」

 チャンスをもらい、それに応えたルーキーイヤー。優勝の行方を左右する夏場に一気に出場機会が増えた。8連勝し、首位・巨人を猛追した7月には、勝利した15試合すべてで先発マスク。7月1日ヤクルト戦(倉敷)で、球団新人では田淵幸一以来45年ぶりとなる2打席連続本塁打を放ち、同21日巨人戦(甲子園)ではそのレジェンドが見守る前で先制適時打。「田淵さん以来何年ぶり、というのがついて回るのは光栄なこと」と感慨深そうに口にした。

 23歳が次なる目標に掲げるのは「全143試合フルイニングマスク」だ。開幕マスク、などと小さいことは言わない。目指すべき壁が高いほど、挑む価値がある。そのためには今オフ、技術練習に限らず「大学の授業で一度やったことがあるくらい」というゴルフも積極活用する方向だ。

 「(試合の)硬い表情とは違う、プライベートも見られる。選手の皆さんとやれるので、楽しくできたらと思います」

 梅野流グリーン会談で、バッテリーを組む投手陣の本音を探る。加えて起伏の激しいゴルフ場を歩き回ることで、自然と下半身強化にもつながる。すべては来年「3・27」から幕を開ける飛躍を期す2年目のためだ。

 「何のために今年1年、経験させてもらったんだ、と思う。プレッシャーもある中で、来年しっかりやるんだ、という意識で秋季キャンプも過ごした。ケガを予防して、最後までドッシリいられたら。自信はある」

 走攻守すべてで向上させ、この先何年も虎の正妻を任される男になる。梅野の辞書に「休息」の二文字はない。

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2014年11月22日のニュース