金子“メジャー洗礼”弾も修正、米スカウトにアピール

[ 2014年11月15日 05:47 ]

<大リーグ選抜・侍ジャパン>初回1死からアルトゥーベの打球をキャッチする金子千

日米野球第2戦 侍ジャパン8―4大リーグ選抜

(11月14日 東京D)
 侍ジャパンが大リーグ選抜に2連勝した。ポスティング・システムでのメジャー移籍を視野に入れるオリックスの金子千尋投手(31)は2回に今季のナ・リーグ首位打者ジャスティン・モーノー内野手(33)に特大アーチを被弾。それでも5回を3安打3失点で5三振を奪い、勝利投手となった。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(26)は日本選手では、96年の松井秀喜以来となる1試合4打点の活躍。日米野球での開幕2連勝は02年以来で、勝ち越しに王手をかけた。

 沢村賞右腕が衝撃の一発を食らった。3点リードの2回無死一塁。フルカウントから金子が投じたシュートが内角に甘く入ると、モーノーにバックスクリーン右に放り込まれた。「甘く入ったらしっかり捉えられる」。今季のナ・リーグ首位打者で、通算238発男のパワーを肌で感じた。

 本来の力からは程遠かった。3回にも先頭のゾブリストに右翼線三塁打を浴びるなど1失点。あっさりと同点に追いつかれた。抜け球も多く、メジャー仕様のマウンドに「硬さが違うので、慣れるまでに時間がかかった」と苦しんだ。実は腰にも不安を抱えていた。

 それでも、収穫もつかんだ。チェンジアップを駆使するなど、4回以降は持ち直した。毎回の5奪三振。オリックスでも女房役を務める伊藤は「球数制限がなかったら、7、8回まで3点で抑えていたかもしれない。あらためてレベルの高さを感じた」と舌を巻いた。

 この3週間で、金子を取り巻く環境は一変した。先月末に短いオフを利用して極秘渡米し、サンフランシスコでワールドシリーズを観戦。帰国後、メジャーへの憧れを初めて口にした。そして、11日には国内FA権の行使を表明。ポスティング・システムを利用しての米移籍も視野に入れており、国内FAとの併用となれば史上初で、日米42球団と交渉できる。

 スタンドには、ブルージェイズのダン・エバンス統括部長をはじめ、レッドソックス、レンジャーズなど10球団以上のスカウトが目を光らせた。「日米野球が終わってから、しっかり考えたい」と話していた進路については、「試合中に考える余裕がなかったし、まだしっかり考えていない」とかわした。

 投げ合った岩隈は「マウンドとボールの違いがありながら、ゲームをつくるのはさすが。メジャーでも通用すると思う」と太鼓判を押した。モーノーに浴びた特大の一発と、5回を3失点にまとめた修正力。初の日米野球で投じた67球で、金子は果たして何を感じたか。その決断に日米の注目が集まっている。

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