該当者なし94票…阿部 捕手でゴールデングラブ薄氷受賞

[ 2014年11月7日 05:30 ]

ファンが見守る中、坂道を駆け上がる阿部

 プロ野球の守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデングラブ賞が6日発表され、セ・リーグ3連覇の巨人からは阿部慎之助捕手(35)が選ばれた。来季から一塁手に転向する阿部にとっては、捕手として「最後」の受賞。また、オリックスから12球団最多となる4選手が選ばれた。初受賞は18年目の中日・森野将彦一塁手(36)ら6人だった。受賞者にはトロフィーと賞金50万円が贈られ、表彰式は12月3日に都内で行われる。

 阿部は受賞に少し驚いた様子を見せながらも、2年連続4回目の受賞に素直に頭を下げた。

 「納得のいかない成績の中で守備を評価していただき、投票してくれた皆さんに感謝しています。うれしい限りです」

 守備率・999はリーグトップ。だが、捕手としての出場は111試合にとどまった。阿部の得票数96に対し、該当者なしは94票。強力なライバルが不在の中で、薄氷の受賞でもあった。

 来季から一塁手への転向が決まっており、原監督も「来季はチームが困ったらキャッチャーを頼むぞと言わないように覚悟を決めてやる」と話していることからも、捕手としては「最後」の受賞となる。

 だが、感慨に浸ることなく阿部は前を向いた。「簡単にはいかないと思いますが、一塁手・阿部慎之助に投票してもらえるように新たな気持ちで頑張りたい。来年はファーストで獲りたい」。捕手で受賞した選手が他ポジションで選出された例はない。一塁はサインプレーや外野との連係など確認事も多く、決して簡単ではない中、史上初の快挙への挑戦となる。

 体への負担を減らし、より打撃に専念するためのポジション変更。今季の19本塁打のうち、一塁での先発が増えた8月7日以降に9本とペースが上がった。原監督は「今年(打率・248、19本塁打、57打点)の来年だから、大きなことは言えないけれど、3割、30本はね」とノルマを設定した。

 プロ15年目、36歳となる来季は自身の野球人生の転換期となる。「(打撃でも)タイトルを獲れるように頑張ります」と意欲的だった。

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2014年11月7日のニュース