ゴメス残留前向き「良い状態で迎えたい ホームランも増やせたら」

[ 2014年11月6日 05:30 ]

新神戸駅から笑顔で帰国の途につくゴメス

 「MVPボディー」で帰ってくる!来季も契約更新が確実な阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が5日、羽田空港からドミニカ共和国へ帰国した。羽田へ向かう新神戸駅で取材対応し、来季はベスト体重109キロキープを公言。レッドソックス3A時代の12年にインターナショナルリーグ(INL)でMVPを獲得したときと同じで、チームの日本一と、日本でのMVPをめざす。

 口調こそ穏やかでも、ゴメスの心中は早くも来季を見据えて燃えている。シーズン143試合に4番としてドッカリと座り、打率・283、26本塁打、109打点。さらにCS、日本シリーズでも快音を響かせた。来日1年目の助っ人としては十分すぎる記録を残した。「いいシーズンを送れた。日本シリーズも負けたけど、ああいう形で進出できた」。一定の満足感こそあるものの、煮え切らない表情なのはやはり、頂上決戦で完敗を喫したためだ。逆襲への思いは、すでに芽生えている。

 「帰国して、少しはゆっくりしようと思うけど、すぐにトレーニングを始めようと思う。ウエートやランニングをして、ちょっと体重を落とそうかなと。来年良い状態で迎えたいし、もう少しホームランも増やせたら」

 本人によれば、「ベスト体重は240ポンド(約109キロ)かな」。鮮烈な記憶が甦ってくる。2年前の12年。当時レッドソックスの3Aに所属しており、100試合で打率・310、24本塁打、74打点をマーク。INLの最高殊勲選手にも選出されている。メジャーデビューも経験。野球人生の中でも大きな転換点となった1年だった。この最高の輝きをもう一度―。今季の数字のさらに上を目指すのならば、肉体改造は必須項目だろう。

 今年2月に来日した際の体重は約115キロもあった。ベストから約6キロ、公称からは約10キロもオーバーしていた。当然、下半身に負担が及び、右ヒザ裏痛でキャンプ、オープン戦を満足に過ごせなかった経緯がある。春先にしっかりと調整ができれば、最高目標に掲げる「3割、30本、120打点」は自ずと視界に入ってくる。そうすれば巨人に奪われたリーグ優勝、ソフトバンクにさらわれた日本一、そしてセ・リーグMVP獲得への挑戦権も手に入る。

 「日本の食事も気に入っていたよ。ここで1年過ごしてみて、本当に気に入った。肉体的にも精神的にも、帰ってゆっくりしたいと思う」

 球団創設80周年となる15年シーズン。メモリアルな年に栄冠をつかむには、背番号5の爆発は欠かせない。来年の今頃は、日本一の称号とともに母国へ凱旋したい―。その土台作りとなるMVPボディー。カリブの怪人は大好きな日本に少しだけ別れを告げた。

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2014年11月6日のニュース