東尾修氏が後輩にエール「公康、遠慮はいらない 自分の色を」

[ 2014年11月2日 08:10 ]

西武時代の東尾氏(左)と工藤氏

 スポニチ本紙評論家の東尾修氏(64)は、西武で工藤新監督と先輩、後輩の間柄で黄金時代を形成した。現役引退から現在に至るまで、公私ともに親交がある工藤公康はどんな男なのか。日本一チームの監督を託された工藤氏へ期待を込めてエールを送った。

 公康、監督就任おめでとう。日本一チームを率いることは大変だ。だが遠慮はいらない。年上のコーチだろうが、自分の色を前面に出して、常勝軍団をつくってほしい。

 公康は、自分で考え、納得して前に進むタイプだ。彼が入団2、3年目の時かな。「スライダーをどう投げているか?」と聞かれた時に「曲げようとせず、指先で切って、軌道に乗せる」とだけ答えた。一回り以上違う若者は「冷たい」と突っかかってきたけど、30歳を超えた時に「あの時の意味が分かりました」と返ってきた。試行錯誤して、たどり着いたのだろう。87年に2人で計40試合に完投したけど、勝利数、防御率などで勝負した。負けず嫌いで、張り合ったことを覚えている。

 「風呂の湯加減を見てくれ」「シャワーを全開にしてサウナ状態にしてこい」など注文しても、軽口は叩いても、すぐに行動に移した。後輩に対しても厳しくも温かく接することもできる男だ。

 投手に関しては、トレーニングから栄養学に至るまで、理屈っぽいと煙たがられるほど引き出しはある。ただ、野手の心理は難しい。野手担当コーチに自分の足りない部分を補ってもらうことだ。後は2軍監督との関係を密にすること。常勝軍団をつくるには、育成選手にまで、自分の考えを浸透させないと。全員が自分の腹心ではない。まずはコーチに自分の考えを分かってもらうことから始めてほしい。

 監督業は胃酸過多になる。良い胃薬を用意しておくから、オフにゆっくり話をしよう。

続きを表示

2014年11月2日のニュース