オリ金子 11月日米野球で“腕試し” メジャー結論はその後で

[ 2014年10月28日 05:30 ]

沢村賞の選出を受けて会見する金子

 「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が27日、東京都内で開かれ、パ・リーグの最多勝と最優秀防御率に輝いたオリックスの金子千尋投手(30)が初選出された。オリックスからの受賞は初となる。金子はこの日、メジャー移籍が選択肢にあることを初めて公言。今オフにポスティング・システムによる移籍を球団側に要望する可能性を示した。侍ジャパンの一員として出場する来月12日開幕の日米野球後に結論を出す。

 節目の10年目を迎えた金子が、先発投手としては最高の栄誉である「沢村賞」を初めて手にした。ほっと神戸で始まった秋季練習に参加した右腕は「うれしい。1年間通して投げないと、この賞は獲れない。先発でやっている以上、目指すところでもあった」と素直に喜びを語った。

 名実ともに日本球界No・1投手となった金子の去就は今オフ最大の関心事だ。22日に渡米し、サンフランシスコでのワールドシリーズ第3戦を観戦。これまで胸の中にしまっていたメジャーへの思いを初めて明かした。

 「アメリカの野球を肌で感じることが、これからの自分にとって大事なことだと思った。予想以上のファンの熱さ。昔から球場の雰囲気には憧れていたが、あそこでやってみたい気持ちは実際見て、変わらなかった」

 今季、国内フリーエージェント(FA)権を取得したが、海外FAは最短でも来オフ。今オフに海を渡るには球団がポスティング・システムの利用を認めなければならない。同制度について「今の時点で100%考えているわけではない」としたが、代理人などの選定は「している」と語った。ダルビッシュ(レンジャーズ)らを顧客に持つアーン・テレム氏と契約を結ぶことが濃厚だ。

 決断を急ぐつもりはない。「今回、日米野球があって向こうの打者と対戦する機会があるので、終わってからあらためて考えてみたい」。これまでメジャー志向を公言してこなかったため、米国内での知名度は決して高くない。メジャースカウトが集結する8年ぶりの日米野球は名前を売り出す絶好の場となる。

 球団側とは近日中に話し合う予定で、その席でポスティング・システムによるメジャー移籍を要望する可能性が高い。ルール上はFA宣言した選手をポスティングにかけることは可能で、その場合、選択肢は「オリックスを含む国内12+メジャー30」の日米42球団に広がる。金子は「自分の進路を考えた時に、国内FAもメジャーもチャンスがあるので全ての可能性を考えていきたい」と語った。

 ▼オリックス・森脇監督(メジャー志向は)今まで話したことはなかった。来年も開幕投手としてスタートしてくれると信じている。(残留は)僕の中では1%の疑いもない。

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