罵声、ヤジが秋には大歓声!福留がトドメ 球団1イニング最多5点

[ 2014年10月26日 05:30 ]

<神・ソ>5回2死二塁、福留は左中間に適時二塁打を放つ

日本シリーズ第1戦 阪神6-2ソフトバンク

(10月25日 甲子園)
 日本シリーズでの球団1イニング最多得点となる、5回の5得点目は、阪神・福留のバットから生まれた。

 2死二塁から適時二塁打。代わったばかりの左腕・森福の、9球目の外角直球を逆らわずにとらえた一撃は遊撃手の頭上を鋭いライナーで越え、瞬時に左中間を破っていった。

 「マートンが打ってつながったチャンスだったし、自分自身としても後ろにつないでいこうという気持ちだった」

 技ありの一撃だった。カウント2ボール2ストライクから4球連続でファウルしていた。森福とは今季の対戦がなく、データもわずかな状況でもバットを振っていくうちにタイミングを合わせた。そして失投を見事に仕留めた結果に好調ぶりがうかがえた。

 勝利を決定付けたダメ押し打に和田監督も「球を投げさせて最後に仕留めた。いい状態で来ている。あれ(逆方向への打ち方)ができれば(森福も)怖くない」と目を細めた。

 CSでは全6試合で安打を放ち、2本塁もした。シーズン中盤まで影を潜めていた打棒は秋を迎えるにつれて上昇。大舞台でも初戦から気を吐いた。今後も必ず対戦機会が巡ってくる森福を最初の対戦で攻略したのは大きい。

 春は右翼席から罵声が飛んだ。夏には心ないヤジも浴びた。しかし秋には最高の大歓声が降り注いだ。「これだけの大声援を受けることはすごいこと。迫力がある」。チームは先勝して頂点への第一歩を踏み出した。和田阪神の快進撃を後押しした虎のエイトマンは苦境でこそ、底力を発揮する。

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