秋山監督 6失点KOのスタンに苦言「簡単にバントさせすぎ」

[ 2014年10月26日 05:30 ]

<神・ソ>6回の攻撃前に円陣を組むソフトバンクナイン

日本シリーズ第1戦 ソフトバンク2-6阪神

(10月25日 甲子園)
 最後の花道は黒星から始まった。それも悔やまれるミス。甲子園球場のベンチ裏の通路を急ぐソフトバンク・秋山監督は思わず声を荒らげた。

 「5回だな。簡単にバントをさせすぎ。2ストライクに追い込んでたし、外角の高めでファウルを取れるんだから」

 指揮官が指摘したのは、5回無死一塁の場面だった。打席にはメッセンジャー。初球は真ん中高めのスライダーで見逃し。2球目はまた外角のスライダーをファウルさせた。だが3球目。再び選択した外角のスライダーはわずかに内寄りへ。まだ、ボール球を投げる余裕はあった。安易に二塁へ送らせた結果、試合の流れを決める5失点のビッグイニングを招いた。

 苦渋の選択でもあった。CSファイナルSを4連勝で18日に日本シリーズ進出を決めた阪神に対し、ソフトバンクは20日の第6戦までもつれた。「ウチは日程の関係もある。阪神さんは期待する投手を一番に持ってきた」と秋山監督。本来ならばリーグ優勝決定試合となった2日のオリックス戦、さらにCSファイナルSの第1戦と6戦の計3試合で20回2/3を2失点(防御率0・87)の大隣を「開幕」に起用したかったが、国指定の難病・黄色じん帯骨化症の手術から今年7月に1軍復帰したばかりの「病み上がり」の左腕に2試合連続の中4日は酷と判断。6月9日の甲子園で3安打完封したスタンリッジの相性に懸けざるを得なかった。

 戦前、秋山監督は今シリーズの鍵として、「先発投手がどれだけ試合をつくれるか」と言った。その言葉とは真逆の結果で初戦を落とした。足早にバスに乗り込んだ最後の言葉は「あした、あした。一つ一つ」。シリーズの流れを渡さないために、第2戦は絶対落とせない。

 ≪4球団目12K●≫ソフトバンクが第1戦に敗れ、甲子園での日本シリーズは03年の阪神第3戦から4連敗となった。勝てば64年阪神第7戦以来50年ぶりとなるが第2戦はどうか。この日は投手陣が12奪三振。シリーズの1試合12奪三振以上は27度目で、敗戦は02年巨人第4戦の西武、09年日本ハム第4戦の巨人、12年巨人第2戦の日本ハムに次ぎ4チーム目と珍しい。ホークスは、99年中日第1戦の13奪三振、00年巨人第1戦、11年中日第7戦の各12奪三振と勝利に結びつけてきたが、4度目で初の黒星になった。

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2014年10月26日のニュース