東尾氏が秋山監督にエール 寡黙で表情変えないアキらしく有終を

[ 2014年10月26日 09:10 ]

<神・ソ>3回1死二塁、スタンリッジの打球で三塁憤死となった今宮(右)と話をする秋山監督(中央)

 ソフトバンク・秋山幸二監督(52)にとって最後の花道となる日本シリーズ。西武入団時からのチームメートで私生活でも親交のあるスポニチ本紙評論家の東尾修氏(64)が、思い出とともに日本一へエールを送った。

 アキにとって、最後の戦い。いろんな思いを胸に秘めていると思うが、決してそれを顔に出さない。それがアキなんだ。リーグ優勝を決めた直後に電話した。祝福とともに「プレーオフ、頑張れよ」と。実は、その時にはもう監督を辞めることを決めていたんだよな。

 西武に入ってきた時は本当に寡黙な男だった。話している声も小さかった。それが86年の広島との日本シリーズ第8戦でホームランを打ってバック宙でのホームイン。あまりのギャップに腰が抜けそうになったよ。

 よく都内の寿司店で一緒に野球談議をした。野手出身の監督だが、八代高(熊本)時代は投手。本当に私の話にも真剣に耳を傾けてくれた。09年の春季キャンプだったかな。ブルペンの捕手の後ろの距離が短いと、投手の感覚が狂うことを指摘すると、翌年にはすぐに改装されていた。「2軍の若手に話してください」と頼まれ、講師役も務めた。言葉は少なくても、本当に素直で周囲の意見を聞き、取り入れる決断力とバランス感覚を持っている男だ。

 王(貞治)さんの後ろ盾があり、グラウンド内に集中できた幸せな監督だと思うよ。今度は公康(工藤)が就任するみたいだ。西武時代に日本一を目指した仲間。名球会でも会えるかもしれないし、3人でじっくりと食事でもしながら、野球論を戦わせたい。

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2014年10月26日のニュース