29年ぶり日本一へ 和田監督“雪辱舞台”で「チーム一丸」

[ 2014年10月21日 05:30 ]

打撃コーチだった03年のリベンジに燃える和田監督

 25日に甲子園球場で開幕する日本シリーズで、阪神の相手がソフトバンクに決まった。03年に前身のダイエーに敗れた当時、打撃コーチだった和田豊監督(52)にとって雪辱の舞台となる。レギュラーシーズンの優勝を逃したチームの日本シリーズ進出は3度目で、すべてリーグVチームとの対戦。過去2チームはいずれも“下克上”に成功した。データは、阪神の1985年以来、2度目の日本一を示している。

 日本一へ、最後の敵が決まった。パ・リーグのレギュラーシーズンの覇者でもあるソフトバンクだ。クライマックスシリーズでファーストステージからファイナルステージまで5勝1分けの快進撃で勝ち上がってきた猛虎にとって、これまでどおり、ただガムシャラにぶつかっていける大きな相手だ。

 「し烈な争いの中、シーズンでも優勝を勝ち取りましたし、ここぞの底力は素晴らしいものがあった。こちらもセ・リーグ代表として、チーム一丸となって全力で戦いたいと思います」

 標的が定まり、和田監督は言葉に力を込める。参考になるだろう今年の交流戦では2勝2敗だった。しかし5月末から6月はじめの4試合を思い返し、「あの(交流戦)時のチームとは違うからね」と比較材料として乏しいと位置づける。

 確かに4試合の両軍の先発投手をみても今回は登板しないだろう榎田や、オセゲラ、岩崎がいる。それぞれ打順も大幅に入れ替わっている。何より阪神の場合は、西岡が離脱中だった。

 ただ、戦術のイメージは変わらないはずだ。初戦の5月23日にヤフオクドームで2―4で接戦を落とした時に、「後ろの投手がいいのはわかっている。リードして後半に入らないといけない」と敗因を挙げている。3戦目の6月8日、甲子園での一戦でその戦いを実践した。63年ぶりとなる初回9得点で、そのまま14―8と押し切っている。

 03年、星野監督率いる阪神が3勝4敗で敗れた相手が前身のダイエーで、当時、和田監督は打撃コーチ専任となって2年目だった。その11年前は敵地で2連敗、甲子園で3連勝したが、再び敵地で2連敗した。先に王手をかけながら、あと一つ届かなかった。4連敗した05年のロッテとの日本シリーズもパの本拠地スタートだった。

 今年はセの本拠地で開幕する“運”もある。10月に入って7試合で無敗の勢いを、満員のファンの声援でさらに加速できる。ソフトバンクを倒して1985年以来の日本一へ、風は吹き始めた。

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2014年10月21日のニュース