成瀬 FA示唆…チームに愛着も「他球団の評価聞いてみたい」

[ 2014年10月14日 06:33 ]

FAを示唆した成瀬

 ロッテの成瀬善久投手(29)が13日、国内フリーエージェント(FA)を行使する可能性を示唆した。同権利を今季シーズン途中に取得したエースは、秋季練習に参加したQVCマリンで「他球団がどういう評価をしてくれているのか聞いてみたい」と明かした。近日中にも球団側と話し合いの場を持ち、最終的な結論を出す意向だ。

 03年に入団して以降、ロッテひと筋11年。今年5月に国内FA権を取得し「ずっといるチームなのでもちろん残りたいという思いはある」とチームへの愛着も吐露したが、29歳の誕生日を迎えたこの日、揺れる胸中を隠すことはできなかった。

 6勝4敗に終わった昨オフの契約更改では1600万円減の年俸1億4400万円でサイン。減俸されたことではなく、単年契約の提示に複雑な思いを抱いていた。今季のFA権取得を見据えた複数年ではなかったからだ。10年には日本一に貢献し、エースとしてロッテを支えた自負がある。

 さらに2年連続で選手会長を務め、球団と自身の考え方にズレが出てきた。観客動員数は2年連続で12球団ワースト。今季は122万3915人で前年比2・9%減となり、成瀬は危機感を募らせている。「なぜ、観客が減っているのか考えてほしい。僕の考えを大事にしたいと思うのか、それとも雑に扱われるのか。球団の方向性と、自分の方向性が違うならしようがない」と移籍も辞さない姿勢を示した。

 今季は9勝11敗と負けが先行したが、通算90勝を挙げている左腕。FA宣言すれば複数の球団が獲得に名乗りを上げることは確実だ。林信平球団本部長は「大事な戦力。チームに残ってもらいたい」と慰留するが、交渉では自らへの評価だけでなく、球団のビジョンも判断材料になりそうだ。

続きを表示

2014年10月14日のニュース