代打稲葉 消えた突破打 第3戦へ切り替え「しびれる試合ができる」

[ 2014年10月13日 05:30 ]

<オ・日>8回1死一、二塁から一度は勝ち越しとなる中前打を放った稲葉

パ・リーグCSファーストS第2戦 日本ハム4―6オリックス

(10月12日 京セラD)
 そのバットには野球の神様が宿っている。その神様が言った。もっと試合をやり続けろ、と。悔しいはずの逆転負けも、日本ハム・稲葉に悔しさはみじんもなかった。

 「これであしたもしびれる試合ができる。こうして少しでも長くユニホームを着させてもらえる。短期決戦はいかに切り替えられるかだから」。現役生活20年、最後のCSに臨む男はひりつく一瞬を楽しんでさえいる。

 誰もが心を震わせ、「勝った」と思ったのは同点の8回だった。1死一、二塁で、栗山監督が勝負に出る。「代打・稲葉」のコールに、左翼席では日本ハムファンのジャンプが始まった。そして2ボール1ストライクからの4球目。オリックス・馬原の外角へ落ちる132キロに反応した。泳がされながら下半身で粘り、絶妙のバットコントロールで中前へ。大打者の技と魂が凝縮された代打タイムリーに、ベンチもスタンドも熱狂した。

 「らしいっちゃあ、らしいヒット。よく体が粘ってくれた」。事もなげに振り返るところに凄さがある。9月2日に今季限りでの引退を発表。しかし、その後も「最後まで努力し続けたい」とバットを振り込んだ。試合後には愛弟子・中田を連れ、今まで通り素振りとティー打撃。中田へ打撃術を残すと同時に自らも努力を続けた。その成果だろう。今季17打数無安打だったオリックス戦での代打適時打。これで引退発表後、代打では13打数5安打5打点だ。

 「素晴らしい。あの変化球の読みと技術」。栗山監督はそう絶賛して続けた。「完全に流れが来たと思ったけど、神様がもう一試合やれと言っている」と。負ければ、それが最終戦。でも、稲葉の現役生活は簡単には終わらない。チームの誰もがそう思っている。

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