栗山監督「大舞台で弱そうだけど」…大谷 金子と初投げ合いへ

[ 2014年10月11日 05:30 ]

ゼロで勝つ!(左から)谷元、吉川、鍵谷ら投手陣の前で京セラドームのマウンドを確かめる大谷

パ・リーグCSファーストS第1戦 日本ハム―オリックス

(10月11日 京セラD)
 セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は、11日に開幕する。パ3位の日本ハムは、同2位のオリックスと対戦。先発の大谷翔平投手(20)は練習後にマウンドにも上がるなど意欲的で、オリックスのエース金子千尋投手(30)との初の投げ合いに、1点も譲れない覚悟を示した。昨年と同じ顔合わせとなったセは、3位の広島がルーキー・大瀬良大地投手(23)を先発に立て、同2位の阪神に先勝を狙う。

 心地よい緊張感がグラウンドへと足を向けさせた。全体練習終了後。いったん、ロッカーへ姿を消した大谷は再び姿を現し、昨年8月23日から遠ざかっている京セラドームのマウンドに上がった。直球、スライダー、フォーク――。クイックモーションからも投げ込んだ。17球。第1戦の先発に向け、感触を丁寧に、丁寧に確かめた。

 「金子さんは(自分より)確実に実力が上の投手なので、なんとか気持ちで負けないように一イニングずつしっかりゼロで抑えたい」。チームの命運を握る初戦の重圧に加え、投手タイトル2冠の絶対的エース・金子との初めての投げ合い。絶対に1点も与えられない大一番だというのに、大谷は実に落ち着いていた。

 30メートルダッシュ、ブルペンで30球、フリー打撃中に中堅後方のフェンスに向かって壁当てをして投球フォームを修正。シーズン中と変わらない登板前日のルーティンをこなし、最後の最後でマウンドを確認した。黒木投手コーチは「マウンドの傾斜に合わないと思いながら当日にアジャストするのか、不安のないまま試合を迎えるのでは大きな違い」と解説。やれる以上のことはできないと分かっている。レギュラーシーズン最終戦となった5日の楽天戦(札幌ドーム)でプロ野球最速に並ぶ162キロを連発したように、序盤から力でねじ伏せにいく。相手に1点も与えない投球をするための不安は全て取り払い、全ての準備を整えた。

 栗山監督は期待を込めて言った。「1点でも与えたら駄目かもしれない。あいつ(大谷)は大舞台で弱そうだけどね…甲子園とか。でも吹っ切らなきゃいけないから」。相手は球界を代表するエース。だからこそ、ここ一番での爆発力のある20歳の若武者に懸けるものがあった。大谷も力強く言った。「糸井さんとか中軸に長打力のある打者が多いので、前後の打者をしっかり打ち取っていきたい」。3位からの逆転日本一へ、右腕に全てが託された。

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