「3年しっかりやってエース」…則本 奪三振王も来季恩返し誓う

[ 2014年10月8日 05:30 ]

<楽・オ>8回1失点の則本

パ・リーグ 楽天2-3オリックス

(10月7日 コボスタ宮城)
 もっといいものを見せたかった。うれしさも半減だ。タイトルよりも、ただ勝ちたかった。楽天投手陣のこれからを背負う則本。星野監督へ、最後の白星を贈れなかったことが悔しかった。

 「結果として喜ぶべきかもしれない。でも、最終戦に勝てなかった悔しさの方が大きい」

 オリックス・金子を最終登板で追い抜き、奪三振王に輝いた。昨季は新人王、そして2年目での初タイトルだ。「フォークが悪い中、直球とスライダーという僕の原点の投球はできた」。199奪三振でトップだった金子に5個差で登ったマウンド。力のある直球を軸に4回まで4三振を奪い、圧巻は5回だ。先頭の岩崎を空振り三振に仕留めて並び、2死後、粘る伊藤を11球目の149キロ直球で空振り三振。これで単独奪三振王を確定させると、現役時代の星野監督をほうふつさせる雄叫びとともに、くるりと一回転して右手でグラブをパチンと勢いよく叩いた。

 7回に「失投」をT―岡田に同点ソロ。8回1失点で2年連続の15勝は逃したが、2桁10奪三振で204個、200イニングもクリアした。それでも喜べない。今春の久米島キャンプで田中(現ヤンキース)の穴を埋めると宣言しながら、10敗を喫しチームも最下位に転落。「口先だけになって申し訳ない。勝てそうな試合を落とし、先発で機能できない時期もあった」と反省する。

 則本には、肝に銘じている言葉がある。「ええか、3年しっかりやってエースやぞ」。星野監督から、まだエースの称号は得ていない。課題は安定した投球で負け数を減らすこと。「監督の言葉を真摯(しんし)に受け止めて来年やりたい。それが恩返しだと思う」。別れのセレモニー。闘将の姿を目に焼き付け、来季のエース襲名を心に誓った。

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