敵将も脱帽!青木3安打 左対左は両リーグトップ打率・363

[ 2014年10月7日 05:30 ]

<ロイヤルズ・エンゼルス>9回2死、トラウトが空振り三振すると、歓喜の輪に駆け寄る青木

ア・リーグ地区シリーズ第3戦 ロイヤルズ8―3エンゼルス

(10月5日 カンザスシティー)
 ロイヤルズ・青木宣親外野手(32)は5日(日本時間6日)、2連勝で王手をかけて迎えたエンゼルスとの地区シリーズ第3戦で、3打数3安打1打点。全4打席で得点に絡み、8―3で破って3連勝でスイープした。チームはワイルドカードゲームから無敗の進撃で、29年ぶりのア・リーグ優勝決定シリーズ進出が決定。10日(同11日)に敵地で開幕する同シリーズ(7回戦制)では、同じく3連勝でタイガースを撃破したオリオールズ(東地区優勝)と対戦する。

 決してフロックではない。もう、この強さ、勢いは本物だ。今季レギュラーシーズンで30球団最高勝率・605を誇ったエ軍をスイープ。勝利の瞬間、青木は誰よりも早くベンチを飛び出し、歓喜の輪に飛び込んだ。

 「あそこ(初回)だと思う。取られた直後に点を取ったことが勝ちにつながった。看板打者が打ってエンゼルスの雰囲気が変わりそうだったので…。本当にいい勝ち方だった」

 自らのバットで口火を切った。初回に、第2戦まで無安打だった相手主砲トラウトのソロ本塁打で先制された直後。1死からウィルソンの91マイル(約146キロ)の速球を三遊間を破って出塁。2死満塁となり、ゴードンの左中間への走者一掃の逆転二塁打につなげた。今季13勝、5年連続2桁勝利のリーグ屈指の左腕を、わずか2/3回でマウンドから引きずり降ろした。

 左キラーの面目躍如だった。左打者ながら、今季の対左腕打率・363は、対右腕の・259を大きく上回り、両リーグ通じて4位。左打者に限れば堂々の両リーグトップだ。青木自身は「人よりも、打つポイントが(捕手寄りに)近いと思う。左投手には、最後まで目を切らさないようにしている」と解説。つまり、球を呼び込める分、左対左を苦にしない。敵将のマイク・ソーシア監督も「必ずバットに当てて、三振をしない。左翼へ打つのがうまいから、左打者だけど左投手に対して有利になる」と舌を巻いた。対左腕への三振率7・9%も、両リーグ通じてアンドルス(レンジャーズ)の7・1%に次いで低く、左打者ではやはりトップだ。

 3回の先頭では3番手の左腕サンティアゴから四球を選び、ホスマーの2ランで生還。4回1死二塁は二塁内野安打で好機を広げ、後続の犠飛を呼んだ。6回1死一、二塁では勝負を決定付ける中前適時打。ポストシーズンに入って13打数1安打だったが、志願参加した前日の練習でスイングを修正し、「こうした方がいいのでは、というのは分かっていた」と結果につなげた。

 この10日間で3度目のシャンパンファイトを終えると、佐知夫人と2人の子供、個人トレーナーの原田雅章氏の元へ駆け寄った。「今年は絶対世界一を獲りたいと思ってやってきた。あと2回、シャンパンファイトをやる!」。長く低迷が続いたチームの快進撃。沸きに沸く本拠地で、背番号23が高らかに誓った。

 ▼エンゼルス・ウィルソン(青木について)左対左で自分に分があると思っていたが…。積極的に、全球速球を投げた。

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