おかわり並んだ34号!2リーグ制後初 2人の同一球団本塁打王当確

[ 2014年10月4日 05:30 ]

<楽・西>7回無死一、三塁、34号3ランを放つ西武・中村

パ・リーグ 西武7-4楽天

(10月3日 コボスタ宮城)
 西武・中村剛也内野手(31)が3日、シーズン最終戦となった楽天戦の7回に代打で登場。トップに立っていた同僚のエルネスト・メヒア内野手(28)に並ぶ同点の34号3ランを放った。右太腿裏の張りで5試合欠場していたが、初球を一振りで仕留めた。2試合を残すオリックスのウィリー・モー・ペーニャ外野手(32)に3本差をつけ、タイトルはほぼ確定。同一球団から2人のキングが誕生すれば、2リーグ制以降では史上初の快挙となる。

 一振り。自分でも、信じられなかった。6試合ぶりの出場となった今季最終戦。それも代打の1打席で、中村が本塁打王争いのトップに並んだ。1―4の7回無死一、三塁。菊池の初球141キロ直球を叩き、右中間に34号同点3ランを運んだ。

 「本当に打てるとは思っていませんでした。そこまでの執着はないけど、タイトルもかかっていた。いいところで打てました」

 9月27日の楽天戦(コボスタ宮城)で走塁の際に、右太腿裏を痛めて途中交代。それ以降、5試合欠場し、試合前練習ではフリー打撃も回避していた。足を引きずりながらダイヤモンドを一周すると、ベンチ前で同じく34本塁打のメヒアから抱擁を受けた。代打弾は、10年6月4日のヤクルト戦(神宮)以来、4年ぶり自身5本目だった。

 現在31本のオリックス・ペーニャは2試合を残しているが、2人とは3本差。同一球団の複数選手が本塁打王のタイトルを分け合うことになれば、2リーグ制移行後では初の快挙となる。中村が「なんとかなるんじゃないですか。(2人で獲れたら)いいんじゃないですか」としたり顔を見せると、メヒアも「同じチームから2人というのはとてもうれしい。中村さんは練習もしていないのに、アンビリーバブル!」と喜んだ。2人で刺激し合い、量産してきた。中村が、メヒアに「俺が41本打つから、おまえは40本にしとけ」と冗談を飛ばしたこともあった。

 CS出場が完全に消滅したことで、田辺監督代行は、故障中の中村を遠征に同行させるかどうか迷いもあった。しかし「観光になってもいい」と、ベンチに置くことを決断。その指揮官は「まるで漫画みたいなシーンだった」と驚いた。

 5度目の本塁打王となれば、史上6人目。中村は現在最下位のチーム状況を踏まえ「悔しいです。個人の成績もたいしたことはなかった」とシーズンを振り返ったが、これほど劇的なキング確定弾は誰もができる芸当ではない。

 ▼西武・森(4―4の8回、左中間へ勝ち越しの2点二塁打)貢献できて良かったです。いい経験をさせてもらい、来年に生かしたい。

 ≪2リーグ制後は初≫中村(西)がチーム最終戦で同僚のメヒアと並ぶリーグ最多の34号。これで2人がそろってタイトル獲得の可能性が高くなった。本塁打王を複数の打者で分け合えば、04年のセ・パ両リーグで記録して以来14度目。同一球団で2人以上なら1リーグ時代の43年岩本、加藤、古川(名古屋)、48年青田、川上(巨)に次いで66年ぶり3度目。2リーグ制後では初めてになる。なお、メヒアは今季5月7日に西武に支配下登録。途中入団の外国人選手が本塁打王なら初のケースになる。

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